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妖怪・風習・伝奇

kanaさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

エネエネババア(加筆修正版)
短編 2022/11/15 22:13 4,571view
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今でこそどこの家もセキュリティにうるさくなっていますが、
当時の日本、とくに田舎では、カギのかかった家などほとんどありません。
どこの家も戸にカギをかけるのは夜寝る時くらいです。

方言の強いうちの母親は夜になるとボクに
「じょっぴんかったか?」と注意してきました。
「じょっぴんかる」とはつまり、
「じょ」は「錠前」、
「ぴん」は「ちゃんと」とか「キッチリ」という意味。
「かる」は「掛ける」で、
つまり「じょっぴんかったか?」は

「カギはちゃんと掛けたか?」という意味になります。

話を戻します。
庭に入ったイトコはそのまま玄関へ向かい、
ドア横のチャイムを押して、ピンポンダッシュをかましました。
少し離れた場所に隠れて様子を見ていましたが、誰も出てくる様子はなし。

「やっぱり誰もいないのかな?」
イトコは意を決してもう一度玄関の方へ行き、
今度はドアノブに手を掛けました。
「カチャ…きぃぃぃ~」きしむ音を立ててドアが開きます。
イトコはほんの少しだけドアを開けて片目でのぞいてみました。

中は暗く、よく見えません。

今度は顔だけ半分入るくらいにドアを開けて
「ごめんくださ~い、誰かいますか~」と言ってみました。
玄関からまっすぐ廊下が伸びていますが、
奥の方はやはり暗くてよく見えません。
玄関はなんだかお年寄り特有の匂いがしていました。

「これは誰もいないな」と思ったイトコは、
さらに戸を開けて中に少し入ってみました。
すると、廊下の奥の方にキラリと赤く光る眼が!と思った瞬間

「エネエネエネエネ!」

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