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ヒトコワ

細雪さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

死ぬ瞬間に目が合うと
短編 2024/04/29 23:31 985view
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これは私が古くからの友人と面会した時の話です。

久しぶりにあった友人は昔と変わらない調子であり、話しかけてきました。

「最近どうよ?」

「これだけITだのAIだのが進歩しているのに、未だに物騒な事件は減らないね。この間も隣町で16歳の男の子が死体って見つかったってよ。」

「はぁ、また殺人事件のニュースかよ。しかも被害者はまだ学生じゃん。」

「だよね、平均寿命が80歳越えてて100歳まで生きる人が増えてきた中で、10代で殺されちゃう人がいるのはなんかね…」

「生きるはずだった何十年がなくなるのは可哀想だよね。自分だったら死んでも死にきれないよ。」

「だよね。だからかも知れないけどさ、殺人犯が夢に殺した人がでて来るようになって、耐えられなくなって自首したりおかしくなったりする話あるじゃん。あれって本当なんだよ。」

「そうなの?あれって罪悪感でそういう風になってると思ってたけど。」

「そういう人ももちろんいるだろうけどね。特に殺す相手が死ぬ瞬間に目があってるとやばいらしいよ。アイコンタクトって言葉があるように、目で伝わることってとても多いじゃん。だから死ぬ瞬間に目が合うと相手からの恨みとか苦しみが全て伝わってきて、心の中に残っちゃうらしい。」

「そりゃ、そうだよね。まだまだやりたいことあるはずなのに、突然死ぬってなったら相当な感情になるよね。」

「感情というか、寿命まで生きてたら使ってたであろうはずの生命エネルギーが全て負の感情になって相手に伝わるっていうイメージかな。それが自分の中に残り続けて頭から消えないって感じかな。」

「詳しいね、周りの人から聞いた話?」

「実体験だよ」

私は他人事のように話す彼に恐怖を感じながら刑務所の面会室を後にしました。

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