神戸市N区コンビニ午後9時5分
投稿者:ねこじろう (125)
長編
2024/05/01
03:15
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本格的な梅雨入りシーズンを迎えたその日の神戸市N区は、朝からしとしと生暖かい雨が降り続いていた。
市郊外の県道沿いにあるそのコンビニ「M」は市街地からは外れたところにあり、普段からそんなに来店者数はなかった。
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令和5年6月1日木曜日
午後9時5分。
コンビニ駐車場の要所要所にある街灯には明かりが灯されている。
車が一台も停車されていない灰色のアスファルトには、銀色の緩い雨がしとしと降り注いでいた。
店内一番奥の棚の前では学生バイトの小西が片付け作業をしている。
彼は一旦手を止めると一つ大きな欠伸をした。
昨晩自宅アパートリビングのソファに寝転がり、携帯でYouTubeの動画を見ながらつい夜ふかしをしてしまったのだ。
小西が気合を入れようと両頬を軽く叩き再び作業を続けようとした時だった。
突然耳の奥を不快な耳鳴りが襲う。
キ-------ン、、、
彼は両手で耳を塞ぐと、
─やばいやばい、最近寝不足かな
と苦笑する。
それから腫れぼったい目を擦っていると、
お客の来店を報せる小気味よいチャイムが店内を響き渡った。
ピン!ポ~~~~ン、、、
彼は驚き入口の方に目をやる。
約1時間ぶりのお客様だからだ。
するとキャスターの車輪が軋むような音が聞こえてくる。
キコキコキコ、、、
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幻覚を見ているんじゃないか
コメントありがとうございます
─ねこじろう
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