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心霊

K-Styleさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

神社の裏の「出る」友人の家にて
短編 2021/10/06 20:47 829view
高校生の頃、仲の良かった友達の家に泊まりに行って体験した話です。

その友達の家は、県外からも参拝客がおとずれる有名な神社のすぐ裏手に建っていて、以前から友人は「うち、たまに出るんだよね」と笑いながら話していました。
私は霊感が強いわけでもなく、何度かその家に遊び行ったこともありましたが、特に不思議な目にあった事も無かったので、怖いという感情は何も無く、お泊まり会を楽しみに夕方遊びに出かけました。

その日は友達の両親が旅行に行っていて不在で、私達はピザ屋を取ったりお菓子を食べたりして夜更けまで遊んでいました。
そろそろシャワーでも浴びて寝よう、という事になり、私は先にお風呂場を借りました。

椅子に座ってシャンプーをして、シャワーで泡を落とし始めましたが、その時にふと、何か背後から気配を感じました。誰かがすぐ後ろにいるような、なんだか落ち着かないものを感じます。
(落ち着け、気のせいだ。そんなわけない。何も考えるな)
心の中で必死に自分に言い聞かせてシャワー髪をゆすぐのですが、一向に泡が消えません。むしろ、シャワーで流すほどに髪の毛が泡立ってくるのです。
(どうして?早く洗い終わりたいのに!)

恐怖と焦りで頭を掻きむしりながら、私は恐ろしい事を思いついてしまいました。
もしかして、誰かが後ろから私の頭にシャンプーをつけているんじゃないか…?
そう思った途端、私は恐怖で意識が飛びそうになりました。

その時です。
「タオル、ここに置いておくよ」
浴室の外から友達の声がして、私は現実に引き戻された気持ちになりました。背後の気配もなくなりました。あまりの出来事に、友達に返事をする事も出来ず、私は必死でシャンプーを洗い流し、コンディショナーもせず逃げ出すようにお風呂から上がりました。

髪の毛も濡れたままで友達のいる部屋に転がり込むと、友達は驚いた様子で「どうしたの?顔色悪いよ」と心配してくれました。
私はお風呂場での事、友達が声をかけてくれたから助かった事を半泣き状態で説明し、友達は何も言わずにうんうん、と聞いてくれました。それで気持ちも落ち着いて、その日は二人でくっついて眠ったのです。

翌朝、帰宅する私を玄関まで見送ってくれた友達は、少し困ったような顔でこう言いました。
「昨日は言わずにいたんだけどさ。私、昨日〇〇がお風呂に入ってる間、お風呂場には行ってないんだよ。タオル、自分でお風呂場まで持っていったじゃん。でも、声かけられた時、何も返事しなかったのが良かったと思うよ。うち、そういう事よくあるんだけど、声かけられても絶対に返事しちゃダメって言われて育ったからさ」

その友達の事は大好きですが、それから彼女の家に行くことはありませんでした。
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コメント(1)
  • なかなかエロイね!

    2021/10/07/22:18

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