これは私がまだ中学生だった頃の話
当時私は中国地方の田舎の村に住んでいた
私の家はいわゆる地主一家で
私と私の両親と父方の祖母の4人で暮らしていた
祖父は私が幼い頃に病気で亡くなってしまっていたので
物心ついた時から私の家族はこの3人だった。
私の家は土地をたくさん持っていて(土地といってもほとんど畑だが)
それを人に貸したり、売ったりして生計を立てていた
幼い頃から私の周りにはたくさん人が集まり大人も子供もどこかで私や私の家族のご機嫌を伺い気を使っているのを感じていた。
みんながうちの家に気を使っているのは単にうちが地主だからというだけではない
うちの家はトウビョウつきだったのだ
トウビョウというのはこの地域に伝わる蛇の神様みたいなもので首に金色の首輪をつけているらしい
この蛇の神様を持っている家をトウビョウつきといい
トウビョウ様を奉るとその家は栄えたり幸運になると言われていた
また、嫌いな人間を呪ったりすることも可能で
トウビョウつきの家の人間がこの人嫌だなと感じたりするだけでも
その人に悪影響が起きたりすることもあるということだった
逆にトウビョウつきの家の人間がトウビョウ様をないがしろにするとひどい祟りにあうとも言われていた。
都会の人には信じられないかもしれないけど
うちの村では当たり前のようにトウビョウ様が認知されていて崇められていた
祖母はとくに熱心で毎日朝、昼、晩、食事を運んでお祈りをしていた。
普通奉るというと神棚などを想像するかもしれないがうちではトウビョウ様は床下に奉ってあった
床下には綺麗に装飾された大きな瓶がありその中にトウビョウ様がいるのだそうだ
祖母がよく
「アキちゃん!トウビョウ様がみんな守ってくれるからねー一緒にお祈りしようねー」
※アキは私の名前です
なんて言ってよく一緒にお祈りしたものだ
優しい祖母が私は大好きだった。
しかしそんな祖母とは対照的に私の母はトウビョウ様に懐疑的だった
懐疑的というかほとんど信じてなくて全く興味なしという感じだった
当時私は中国地方の田舎の村に住んでいた
私の家はいわゆる地主一家で
私と私の両親と父方の祖母の4人で暮らしていた
祖父は私が幼い頃に病気で亡くなってしまっていたので
物心ついた時から私の家族はこの3人だった。
私の家は土地をたくさん持っていて(土地といってもほとんど畑だが)
それを人に貸したり、売ったりして生計を立てていた
幼い頃から私の周りにはたくさん人が集まり大人も子供もどこかで私や私の家族のご機嫌を伺い気を使っているのを感じていた。
みんながうちの家に気を使っているのは単にうちが地主だからというだけではない
うちの家はトウビョウつきだったのだ
トウビョウというのはこの地域に伝わる蛇の神様みたいなもので首に金色の首輪をつけているらしい
この蛇の神様を持っている家をトウビョウつきといい
トウビョウ様を奉るとその家は栄えたり幸運になると言われていた
また、嫌いな人間を呪ったりすることも可能で
トウビョウつきの家の人間がこの人嫌だなと感じたりするだけでも
その人に悪影響が起きたりすることもあるということだった
逆にトウビョウつきの家の人間がトウビョウ様をないがしろにするとひどい祟りにあうとも言われていた。
都会の人には信じられないかもしれないけど
うちの村では当たり前のようにトウビョウ様が認知されていて崇められていた
祖母はとくに熱心で毎日朝、昼、晩、食事を運んでお祈りをしていた。
普通奉るというと神棚などを想像するかもしれないがうちではトウビョウ様は床下に奉ってあった
床下には綺麗に装飾された大きな瓶がありその中にトウビョウ様がいるのだそうだ
祖母がよく
「アキちゃん!トウビョウ様がみんな守ってくれるからねー一緒にお祈りしようねー」
※アキは私の名前です
なんて言ってよく一緒にお祈りしたものだ
優しい祖母が私は大好きだった。
しかしそんな祖母とは対照的に私の母はトウビョウ様に懐疑的だった
懐疑的というかほとんど信じてなくて全く興味なしという感じだった
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このようなことがあるんですね
怖い〜
アイデア、世界観、実話という点において、日本らしい怖さがあって素晴らしい
富を享受できる代償があまりに大きいですね。自分なら謹んでお引き取り願いたいです。あ、「憑き」だからこっちには是非の権利ないのかな。それなら嫌だなあ
初めまして、私の祖母の村(今は合併して町になっていますが)トウビョウギツネという憑き物はあると聞いた事があります。
類としては同じなのでしょうね、少し懐かしく感じました。