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不思議体験

ハトヤマさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

売家
短編 2021/01/03 21:44 7,366view
東京のある住宅街に住んでいた時の話です。
私は妻と当時三歳の息子と生まれたばかりの娘の四人で賃貸のアパートに住んでいました。アパートの前は狭い路地になっており、その路地を挟む形で一軒家が立っていました。

ある日、息子と二人で、その家の前の路地を歩いていると、不意に息子が一軒家の二階に赤い人がいると言い出しました。
私達が住んでいるアパートが正面にあるせいか、その家は常時カーテンが閉まっているのですが、その日はカーテンは開いており、路地から見える窓辺に赤い人が立ってこちらを見ていると言うのです。
息子に促されて私も一軒家の二階を見上げたのですが、人のようなものは見えません。
気味が悪かったのですが、確かめようもなく、その日は適当に息子をあしらって家に入るしかありませでした。

息子が赤い人が見えると言った数日後の夜です。
私は物音と声に目を覚ましました。
あの一軒家から、怒声と何かを平手で打つような音が聞こえてきます。
あの一軒家の奥さんと思われる女性が子供を激しく叱っている音のようでした。
時間は午前二時を回っており、まともな様子ではありません。
しばらくすると誰かが通報したのかパトカーが来て、その日は収まったようでした。
その後も度々、そのような叱り方をしている様子で、警察が来る事も何回かありました。

そんな状態が数ヶ月経った後、一軒家の家族は何処かに引っ越して行き、その家は売りに出されました。
周りの相場やその一軒家の築年数と敷地の広さを考えると売値は驚くほど安いものでした。
息子が赤い人を見たという件や、前の住人の事を考えると少し気が引ける部分もありましたが、ちょうど家を買おうと思っていた私は内見をさせて貰う事にしました。
不動産屋に来て貰い、妻と子供二人でその家に入ろうとしたところ、息子が火が着いたように入りたくないと泣き出しました。
そのまま不動産屋に帰って貰うのも申し訳ないと思い、子供二人は妻に任せ、私一人で内見をすることにしました。
こだわって建てたのか、部屋の広さや間取りは素晴らしく、一階の部屋を一通り見て廻ったころには、購入にかなり前向きになっていました。
しかし、二階に上がった途端、とても住めたものではないと感じました。
階段を上がると廊下を挟んで左右に数部屋並んでいるのですが、その一部屋から強烈に嫌な気配を感じたのです。
そこは位置的に路地から見える息子が赤い人が見えると言った部屋でした。
その部屋の扉の向こうから、こちらに害を与えたくてたまらない様な剥き出しの悪意を感じ、その部屋だけは中を見る事が出来ませんでした。

結局、その後すぐに別の土地に家を買い、二年ほど経ちました。
最近、住んでいたアパートの近くに寄る用事があり、懐かしさもあったので一家四人で行ってみたのですが、あの一軒家はまだ売れていない様子で売値は更に下がっていました。
三歳になった下の娘が一軒家を見て「あの家の人、みんな赤いね」と言ったのを聞いて、あの家はこれからも売れる事は無いのだろうと思いました。
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関連タグ: #事故物件#声#子供
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コメント(5)
  • 無人なのに赤い人達って…こわいいい

    2021/01/07/02:50
  • 最後の一文だけいらないかも!

    2021/02/09/00:36
  • いや、最後の一文は見えない何かが居る家が怖いっていうのと、自分の子供達が何か得体のしれないものが見える恐怖との2つの事を言いたかったのかと自分は思った。

    2021/02/25/21:12
  • 部屋の中を見ることすらできないほどの嫌な気配ってよっぽどですな
    前の住人が原因ってよりはもともとその嫌な気配があってそれが原因で虐待染みた躾けが行われていた可能性もあるか

    2021/03/28/15:41
  • ムックかな?

    2021/03/30/20:06

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