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心霊

峰さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

家の中いる「誰か」
短編 2021/09/10 18:46 886view
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今年のお盆の時期、奇妙な体験をしました。
夜の10時を過ぎた頃でしょうか。同居している母が、最寄りの駅まで父を迎えに行くと言って、車で外出しました。

一人で留守番をすることになった私は、退屈を紛らわすために友人に電話をかけました。
取り止めもない話をしていると、ふと、友人がおかしそうに笑い声を上げました。
「どうしたの?」と尋ねると、友人が、「いま、◯◯ちゃん(私の名前)を呼ぶ声が聞こえたよ。彼氏でもいるの?」と言うのです。
えっ、と思い、どういうことかと詳しく聞くと、「ちょっと高めの男の人の声で、“◯◯ちゃん、ここにいたんだ”と話しているのが聞こえた」と言うのです。
当然家には私一人しかいません。ゾッとして、やめてよ〜と言うと、友人は逆に困惑したように、「すぐそばのドアを開けて話しかけているみたいなリアルな声だった。でも、誰もいないのなら気のせいかも。」と謝ってきました。

怖い気持ちを紛らわすように、私は無理にテンションを上げて違う話題を振りました。

5分ほど経ったでしょうか。友人が好きなアイドルの話をしている時、一階の玄関の鍵がガチャリと開く音が聞こえました。ギーッとドアが開いた後、バタンと閉める音もしました。
両親が帰ってきた!と思った私は、思わずホッとしました。友人からあんな話を聞いて、一人で留守番をするのはあまりにも怖かったのです。

キリのいいところで電話を切り、私は階段を降りてリビングに向かいました。しかし、廊下もリビングも真っ暗なんです。
「えっ……?」嫌な予感がして、恐る恐る玄関に向かいました。ドアは鍵がかかったまま。訳がわからず外に出てみましたが、母が乗って行った車もありません。
どういうこと……?

そういえば、鍵が開く音と、ドアの音は聞こえたけど、車が帰ってくる音や人の足音は全く無かった……。
あまりにも恐ろしくて、私は自分の部屋に飛び帰りました。布団にもぐって、別の友人に電話をかけ、両親が本当に帰ってくるまで話の相手をしてもらいました。
あれから半月が経ちました。あれ以上何も起きていませんが、この家に「誰か」がいると思うと、一人で過ごすことができずにいます。

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コメント(1)
  • お盆だから、帰ってきたんだろね。
    よくあるアルアルだよ。

    2021/09/10/22:16

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