壺オジ

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それからしばらくして、ある日の日曜日。
お父さん、お母さんに連れられ、久しぶりに町まで出て
デパートで楽しくお買い物をしました。
新しいオモチャを買ってもらって、お子様ランチも食べて楽しい一日だったのですが、
帰りに駅前でビラを配っている大人たちに会いました。

それを見てびっくりしました。
あの、痩せてガリガリの青い服を着た女の子の写真をみんなで配っているのです。

「お父さん、私この子知ってるよ!!」

と父に言うと、その言葉に周囲の大人たちがざわつきだしました。

でもよく見ると、私が出会った女の子は写真よりもっとガリガリに痩せていたので、もしかしたら間違いだったかも・・・と思ったものの、着ている服は同じように見えました。かわいい青いお洋服はお姫様みたいにフリフリで、そこいらではあまり見かけないお洋服です。

あの子のお母さんらしい人が、怖いくらいに必死に私にしがみついて来て
何かを言っているのを、お父さんらしき人が抑えて落ち着かせようとしていました。

結局私はあの日あった出来事を話し、みんなにいろいろ質問攻めされて途中泣いたりしながらも全部を話しました。

それから少しして、おじさんの家のまわりにはパトカーがたくさん集まっていました。
家の中からはいくつもの壺が運び出されていたそうです。

お母さんに聞いてもその後の事はあまり詳しくは教えてくれませんでしたが、
それ以来知らない人の家に行っちゃダメとか、何時までに帰ってきなさいと言われたり、
防犯ブザーを持たされたりと、なんだかまわりが厳しくなりました。

今思い返すと・・・次に壺に入るのは私の番だったのかも・・・と、今でも身震いします。