引っ越しの多い地域で

若きOL時代のお話です。

私が仕事から帰ってくると、自宅の玄関のドアの鍵が何度も空いていたり、明らかに空いている気配がある…。そのようなことが数日続くようになりました。

カギは閉めて帰っていたはずなのに、朝寝ぼけていたのかな？でも何回か続いたのでさすがにおかしいな、とは思うようになりました。

思えばポストにも不審な手紙が入っていることもありました。知らない差出人から、とても読みにくい文字の手紙が送られてきたり、またはマクドナルドの割引券が封筒に入れられたものがあったり、え？と不思議に思う日が続いていました。今考えるとストーカーか嫌がらせか、その時は思いもつきませんでした。

そんなさなか大好きなアーティストのコンサートのために2日ほど家を空ける機会があり、家を出るまで隅々まで念入りに掃除をして、片づけて出かけたのです。

コンサートはとても満足して、楽しんで夢のような気分で帰宅したところ…。

予兆があったことが最悪の事態に…。私のアパートの一室は存分に空き巣に入られてしまっていました。

自宅アパートは風が吹き込んでおり、カーテンや吊るしていたワンピースは窓辺でヒラヒラ。窓のカギの付近を四角いかたちに切り取られて空けられていたようです。

引き出しも全開。金目のものはあっても取らずに、銀行の通帳などもそのままでしたが、写真のアルバムは開かれて、わたしと友達がアップで写ったページが開かれたまま置いてあり、とても気持ち悪かったです。ゾッとして、冷静ではいられず、一人でもいられなくて、落ち着いて眠れない日々が続きました。

そのアパート周辺では引っ越しが多く、なぜだろうと思っていましたが、このようなことがおおい地域だったのかもしれません。