コワイヨタスケテ

怖がっていた割にMはあっけらかんとしていた。

「そうそう、録音していたっていう音声まで残ってるの？」
「ありますよー見ますか？」
「んじゃLINEで送って～」

打ち合わせそっちのけで動画を送ってもらう。
すると確かに話にあったように男の叫び声が壁の向こうから聞こえていた。3分ほどの動画だったが、「怖い怖い、助けて怖い」と叫ぶ続けており、これが1時間以上も続いていたら普通は恐ろしくて仕方ないと思うんだが･･･。

それから少しして、県外に住む弟から夜中に怖い動画を見つけたからと送り付けられた。俺も例の動画を送り返そうとLINEを開いた。動画を保存していなかったため、Mとのメッセージを開く。開いたものの

俺は動画を送るのをやめた。

なぜかって？開いたLINEのメッセージ欄に

う、、、、、、、、、、、、う、、、う、、、、、、う、、、、う、、う、う、、、、、

ぬ、、う
い、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
ああああああ、、、、あ、、あ、、あああ、、、あああああ、、、、、

打った覚えのないメッセージが入力されており、送信待ちの状態になっていた。

後日、俺はMに尋ねた。
「例の隣の住人はどうなった？」
「知らない人たちが部屋の片づけしてました。引越でもするのかな？よくわかんないです」

それを聞いて俺は思った。
あぁ、多分死んだなと･･･と｡