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心霊

凛々さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

私の旦那は「見える人」
長編 2021/10/26 07:07 3,400view

私の旦那さんはいわゆる「見える人」です。
付き合い始める前からそれは周りには噂をされているくらいの人で、正直付き合うのは怖くもありました。
私まで何かイタズラされたり、見えるようになったりするのが怖くて。
先に言いますが、私は怖がりですが霊感は全くありません。

付き合う前に彼から聞いた中で印象に残っているのは、職場が介護施設なのですがやはりそこで亡くなる方も少なくもないので、連れて帰ってしまいそうになる、と話していました。

ある時は、ある入居者様の部屋の前に全身真っ黒い人の影のようなものが体操座りをしていた、と聞きました。
そのお部屋の入居者様が亡くなったりすることはありませんでしたが、そこのお部屋は入居者様が定着せず、すぐに体調を崩して何処か他の病院へ転院することが多かったです。

付き合い始め彼のアパートに泊まりに行くことが決まった時、正直一緒に居れる嬉しさもあるのですが、その反面霊的な怖さもありました。

泊まる前に彼から聞いていたそのお部屋で起きた出来事は、まず廊下から男性らしき人の足音がする、ドアノブを深夜にガチャガチャとされる、窓の外から顔が覗いていた、というものでした。

彼はロフトで寝ていて夜中に足音がして驚いて起きたらしいのですが、何故か足音だけで男性と分かったそうです。
感が研ぎ澄まされているからでしょうか、「自分でも分からないけど男だと分かった」と話していました。

ドアノブガチャガチャとされたのは隣の部屋の音では?と私は聞いたのですが、確実に自分の部屋だったと。
窓の外の顔は1階ということもあるし、カーテンを少し開けていてそこから顔が出てきたので、人が覗いていたのでは?と聞くと、
それは「人の気配ではなかった」と話していました。
目が印象的で、目玉だけがこちらをみていたような…、と思い出したくもないほど怖かったと言います。

私はこのような話をきいていたのですが、思い切って泊まりに行きました。

そしてその日をきっかけにお部屋で怪奇現象は起きなくなったそうです。

私は後日彼に「来てくれた日から何も起きなくなったし、君は何か強いものに守られている。それが僕まで守ってくれたようだった」と言われました。

私はここでハッと思い出したのですが、私は小学生の時に大好きなおじいちゃんを亡くしました。
おじいちゃんが亡くなった夜に、「お前は一人じゃないよ。おじいちゃんがずっと見守ってるからね」と言われる夢を見たんです。

嘘のような話なのですが、本当でその時はただ嬉しくて、おじいちゃんが見守ってくれているんだ、と母親に話しました。
子供だったから思い込みでこんな夢を見たんだろう、と大人になるにつれその頃の記憶も薄れていましたが、霊感がある他者から「守られている」と言われると嬉しく、大切な思い出をまた大切にしたいと思えるようになりました。

彼とは付き合いを始めて、1年後同棲を始めました。
同棲を始めて、それからも色々な不思議な話は彼から出てきます。玄関には盛り塩が必須でした。

まず物件決め、内見の時に彼は「この部屋はキッチンの上が気持ち悪かった」「この部屋は小部屋の壁が…」など感じ取ったことを言ってくれます。
物件決めはスムーズにとても良い場所を決めることができました。

そして住み始めてからも、仕事から帰ってくるとたまに顔色を変えて「どこか仕事以外のところに寄った?」と言われます。
浮気か何かを疑われたような発言ですが、それは全く違っていてその時は私に何かついてきている、とのことでした。

その日は帰りにスーパーにしか寄ってないのですが、疲れていたりすると人から人へ、うつることがあるみたいです。
しかし私は全く霊感が無いのでついてきていても気付かないし何もおきません。
彼は少し不安そうな顔をして目を瞑り、黙り込んで瞑想のようなことをします。
語りかけて出て行ってもらうようにするそうです。
私が連れてきてしまったものは、その語りかけで出て行ってくれるものが多いそうです。

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