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不思議体験

凛々さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

堤防沿いのお墓
短編 2022/04/28 15:16 724view

私の地元には堤防沿いに20数個ほどのお墓が並んでいる場所があります。

お墓の周りは竹藪で囲まれており、竹藪の奥には川が流れています。

背の高い竹藪で囲まれたお墓は夏の昼間でも涼しく、とても薄暗い場所でした。

私が小学生だった頃、竹藪裏にある川に、友達と遊びに行きました。

もう暦上は秋でしたが、とても暑い日でした。

川に行くには、お墓の中を通り、竹藪をかき分ける道が1番近いのです。

その日は、何年も雑草で生い茂っているお墓が綺麗になっていたのです。

ほうきと大きな黒い袋を持ったおじさんがいたので、掃除をしてくれていたのだろうと、挨拶をして竹藪に入りました。

ここ数日雨は降っておらず、川の水量も水流も穏やかで、小学生の私たちが遊ぶにはもってこいでした。

昼食やおやつを食べながら、川で目一杯遊んでいました。

遊びはじめは14時ごろでしたでしょうか、3時間もすると辺りが薄暗くなってきます。

ですが遊び足りない私たちは、時間も忘れ、カニや魚を捕まえて楽しんでいました。気づいた時には日は沈みかけ、少し肌寒くなっていました。

そろそろ帰ろうか。そう友達と話し、竹藪へ戻ろうとした時、一匹の白い猫が私たちの前を通ったのです。

なぜか白猫に見入った私たちは後を追い、竹藪とお墓を迂回する様にして帰路に着いたのです。

週明けの学校で、不審者情報が伝えられました。堤防で黒い袋を持った男がいると。

また数日後には、その男が捕まったということも聞きました。

お墓の横にある小屋に、男の所有物である縄や刃物が隠されてあったそうです。

あの日、私たちが暗いお墓を通って帰っていたらどうなっていたのでしょう。

私たちの前に白猫が現れ、着いていったあの行動は偶然だったのでしょうか。今思えばゾッとするような、少し不思議な体験でした。

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関連タグ: #墓#夏#学校#川#猫#雨
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