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  • 10/1 9月度怖い話グランプリを決定し、殿堂入りを追加しました。

不思議体験

ブラジル産さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

母の声をした訪問者
短編 2021/09/13 23:36 373view
私が中学2年生頃の話です。

私は小さい頃から心霊体験をすることがしばしばあり、中学生に上がった頃からは年に何度か金縛りにあうようになりました。始めは怖くて仕方がなかったのですが、調べてみると心霊現象ではなく、睡眠麻痺という睡眠障害だろう事が分かりました。実際、夜中に意識はあるけれど動けない、喋れないという状態になり、気が付けば寝ていたというだけで、その間変な物を見たり聞いたりしたことはなかったのです。

ある日のこと、私は風邪を引いてしまい、熱も高かったため学校を休むことになりました。家族全員仕事や学校で出払っており、私は一人2階の自分の部屋で横になっていました。

お昼過ぎ頃に母の用意してくれたお昼御飯を食べ、もう一度寝ようとすると、一階からガタッ、バタバタ…と何かを動かすような音や、足音が聞こえてきました。

パートをしている母は15時頃に帰ってくることになっていたので、帰宅してくるには少し早過ぎます。それに帰ってきたのであれば、真っ先に私の様子を見に来てくれる筈です。私は怖くなり、布団の中に潜り込みました。
しばらくそうして息を殺していると、一階から聞こえていた物音がピタリと止まりました。耳をそばだててしばらく様子を窺っていましたがとても静かです。

もう大丈夫だろうと布団をめくった瞬間、私はそのまま動けなくなってしまいました。布団をめくった右手は上がったまま、体が硬直し、声も出せません。何かが体を押さえつけているように息苦しく、怖くて鳥肌が立つのを感じました。

なんとかしなくてはと、私は上がっている右手を下ろそうと必死になりましたが、自分のものではないみたいに言うことを聞きません。そうして葛藤しているうちに、ガチャガチャッと玄関ドアが鳴る音がしました。

「ただいまーっ」

母の声と共に、廊下からリビングへ足音が移動します。
ようやく帰ってきてくれた!!
私は安堵しました。早く上がってきて助けて!と願っていると、一階から「寝てるのー?」と声が聞こえ、階段を登る足音がしました。
良かった…、
そう思ったのも束の間、私は急に、あれ、お母さんじゃない、と直感しました。声はお母さんだけど、知らない何かが近付いてきている。

私は体を動かそうと必死になり、お願い動いて!!!と右手に力を込めました。その間に階段を登りきり、パタパタパタと足音が私の部屋へ迫ってきました。
足音がドアの前で止まったと同時に私は腕を下ろすことに成功し、ガバっと別途の上に起き上がりました。

その瞬間、閉じていた部屋のドアノブがガチャリと回り、ドアが少し開きましたが、誰も入ってくることはありませんでした。

私は急いで外へ出飛び出て、門の前で母が帰ってくるのを待ちました。帰ってきた母は驚いていましたが、怖いことがあったと言うとリビングに布団を敷いて私を寝かせてくれました。
あの時やって来たものが私の部屋へ入ってきていたらと思うと今でもゾッとします。
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