アケビ様

１０年前、村長の孫娘がレイプ被害にあうという事件が起き
それがきっかけで彼女の頭がおかしくなってしまったという。

村でも一番の美女だった彼女のあまりにの変貌に
村長家は彼女を家に幽閉し
誰の目にも合わないようにした。
田舎の名家だ、体裁もあったのだろう

しかしそんな中、孫娘を不憫に思った村長が
村人にお願いをして
水曜日の七時以降だけ誰にも会わずに

外を散歩できるようこんなルールを作ったのだという

昔からの風習と思っていたものが
たった１０年前にできたというのだから驚きだ

「こんなやり方どうかと思うけどね！」

そういってA男はこの話を締め切った。

外部の人間には信仰で通していく気でいるらしい。

こういう閉鎖的な田舎では

こういった一部の凝り固まった人たちが作る
歪んだルールがや伝統があることがある。

その発案者が権力者だとこんな有様だ。

まあ郷に入れば郷に従え

真実を知ったからと言って俺が変わることはない

今まで通りルールを守っていればなんの問題もないのだ。

俺は別段気にすることもなく住み続け

ちょうど半年が過ぎようとしていた。

季節は真夏

その日は例の水曜日だった

俺は仕事終わりに
一人家で一杯やっていると