アケビ様

若い人限定で高齢の隣家の庭掃除当番なんて都会じゃあまり見ないものまで

まあ何箇所も田舎を渡り歩いて来た俺には
ちょっと面倒臭いが当たり前に受け入れられるレベルの話だ。

ただこの村には一つ、面倒臭いというか
他の村で見たこともない不思議なルールがあった。

「毎週水曜日の夜７以降は外に出歩かないでください

アケビ様がいらっしゃいますので」

なんでもこの村ではアケビ様というものを奉っていて

毎週水曜日はアケビ様の日として

夜７時以降の外出を禁止にしているのだという

正直面倒臭いが
こういう村が大切にしているしきたりを
ないがしろにしてはよくないと知っていた俺は

快く承諾した。

その後はフッと緊張が解けたかのようになり

歓迎会という名の飲み会になった。

飲み会は地元の特産から地酒でかなり楽しめ

年寄りばっかの中にも一人だけ４０代の男がいて（仮にA男としよう）

話がよく合い

この会の後も二人でよく飲む中になった。

まあ飲み屋もない、ど田舎だ

どちらかの家での飲み会だったが週に１回は飲んでいた。

この村での生活にも慣れてきた３ヶ月目の週末

例にもれずうちで二人で飲んでいた時だった。

酔っ払ったA男がフッとこう漏らした。

「アケビ様っていうのはな村長の孫娘なんだよ」

驚いた俺が尋ねるとA男が話し始めた