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心霊

Aさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

中古車買ったら彼女と別れることになった
長編 2022/10/08 21:20 8,350view
大学生になって初めてできた彼女がドライブに行きたいっていうから、俺は夏休みに免許合宿に行って車の免許を取った。
大学費用や家賃なんかは親に出してもらってるすねかじりだが、車だけは自分の金で買わないと格好がつかないと思って、週3で働いてる飲食店の給料で中古車を買った。

普通車は価格もそうだけど税金もかかると聞いたから敬遠。
彼女が買い物大好きだから物を詰め込める大きめの軽自動車がいいと思って、40万くらいのを買った。

まあ、何か不備があったり気に入らなかったら最悪親を頼ればいいとか、そんな腑抜けた事考えてたから気軽に選んだんだけど、どうにもその車に惹かれていたように今なら思う。

納車してさっそく街をぶらりとドライブしてみたが、なかなかに乗り心地は良い。
走行距離はそこまで走ってないし、寧ろなんで前の人はあまり走っていないのに売ったんだろうとか考えたが、金に余裕がある人はすぐ乗り換えるからすぐにどうでもいいかと切り替えた。

そして、遂に彼女を載せてドライブをする当日。
俺は「じゃじゃーん」と自慢の愛車を彼女にお披露目した。
軽だけど。

それでも彼女は何気無しに、それこそ呟き程度だった念願のドライブデートを叶えてくれたのが嬉しかったのか、笑顔で俺の肩を叩いてきた。

「すごー、頑張ったじゃん」

「まあね」

初日は俺が運転に慣れていない事を考慮してもらって、県内のショッピングモールとか、彼女が行ってみたいと言っていた評判の飲食店に遠乗りした。
そんな殆どいつもと変わらないデートだったけど、やっぱり行動範囲が広がると俺も彼女も楽しかった。

しかし、そんな甘酸っぱい日は長く続かなかった。

納車して二週間もしないある日、いつもの様に車で彼女を迎えに行った時、彼女が乗車して暫く他愛のない話を広げていたんだけど、突然彼女が「ん?」みたいな反応をして助手席のシートから少しお尻をずらして下を見ていた。

「どったの?」

「髪の毛」

彼女の言葉は心なしか冷たかった。

その理由は彼女が汚物でもつまみ上げるかのように拾い上げたかなり長めの髪の毛のせいだ。

当然、俺はその髪の毛に心当たりが無かったので「〇〇(彼女の名前)のじゃないの?」と言い返したが、見事なまでに色も長さも異なっていたので俺は何も悪くないのに冷や汗をかいた。

「長さも色も違うんだけど」

彼女がここまで不機嫌になったのは初めてだったので、俺はオロオロしながら「本当に知らないって」と何とか怒りを鎮めようと弁解を始めるが、彼女は完全に機嫌を損ねたのか「ふーん」とそっぽ向いて車を降りて家に帰ってしまった。

残された俺は顔を覆うようにうなだれながら、去り際に彼女が投げ捨てた髪の毛がシートに落ちているのを見つけ、忌々しく睨んだ。

店員の髪か?なんて考えたが、俺の担当をしてくれた従業員は男性だ。
彼女以外に女性を乗せた事はないし、男友達にこんな髪の長い奴はいない。
考えれば考える程、その髪の毛の持ち主が分からなかった。

何となく摘まみ上げてみるが、ツヤが無く、傷んだような質感だったので、なんだか気持ち悪くすぐに車外に投げ捨てた。

そして、まさか他にも落ちてないよななんて考えた俺は、シートを倒して助手席や後部座席なんかを隈なく調べてみる奇行に走ってみたが、良い事なのか見つけた一本以外には見当たらなくて安心した。
1/5
コメント(2)
  • 車を無事に手放して新たな彼女を見つけてください。

    2022/10/09/20:09
  • 事故車専門のショップがあるのを思い出した。今もあるのかな

    2022/10/11/18:33

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