カエル化現象

小雨の降る田舎町。ここは田んぼもあって夜にはカエルの大合唱が聞こえるような所。
先日ニュースでも話題になりました。
田んぼの持ち主の所に「夜、カエルがうるさくて眠れません。なんとかしてください」という苦情のメモがあったとか。
ボクなんかはむしろカエルの声を聴きながら眠るのが好きなんだけど、なんとも世知辛い世の中になってきたものです。

そんな田舎町にもファミレスくらいはありまして、小雨の降る中、ボクはそこで食後のコーヒーを飲みながらノンビリしておりました。

ボクから少し離れた後ろの席には女子高生たちが陣取っており、
聞こうと思っていたわけではありませんが、奇妙な会話が耳に入ってきました。
まぁ女子高生たちの会話というのはいつの時代でも奇妙ではありますが・・・。

「ねぇねぇサキちゃん、最近出来た彼氏とはその後どーなのよ」

「それがね・・・なんかさぁ~・・・もう別れようかなぁ~・・・なんて」

「えぇぇぇちょっと、あんなに好き好きって舞い上がってたのに??」

「う~ん・・・なんか~あてぃしって~、そーゆートコあんのよね~。
最初は好き好きって思ってんだけど、彼氏もあてぃしのこと好き好きってなると~
途端に冷めちゃうって言うかぁ~・・・」

「わかる~」

「サキちゃん、それカエル化現象ってやつやん」

「うわっ、ユイちゃんモノシリ」

「えぇ~カエルかぁ・・・カエル嫌いやわぁ・・・あはは」

「王子様がカエルになるって言うアレね」

「そぅ言えば、目も離れてるし、顔色悪いし、カエルっちゃーカエルかも」

「あはは、見た目までカエルなの~??」

「舌も長いし~」

「いや～ん、生々しい~」

「この間なんかコオロギ食べてたから、虫好きなトコもカエルだわ」

ボクはそんな会話を聞きながらさすがに「オイオイ」と心の中でつっこみを入れていた。

「そういえばジャンプしてなかった?」

「あははは、してたしてた。運動会で、走高跳」