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心霊

イエティさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

廃墟の怪物
長編 2021/07/27 09:32 14,210view
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すると何を思ったのか、悪友は車を降りた。

あいつの目の前に立ち、手を合わせた。
お札を破ってごめんなさい。成仏してください。お騒がせしてごめんなさい。
そんなことを言っていた。

あいつはずっと「ふしゅー、ふしゅー」と息を荒げていた。

すぐに車に戻り、俺たちは市街地に向かった。
誰も口を開くことはなかった。

走り出して30分ほど経っただろうか。
ようやくインターが見えてきた。

高速に乗り、最寄りの街を目指す。

すると急に、悪友は沈黙を破り話し出した。

「あいつずっとあそこに閉じ込められて可哀想だったよな」
「でももう出れたしいいかw 正樹、どこ行きたい?」

全身に鳥肌が立った。
正樹ってのはもちろん仮だが、俺の名前でも悪友の名前でも女の子たちの名前でもない。
知り合いにそんな名前のやつはいないし、そもそもこの車にそんな名前の人間はいない。

そして一人で語り出すが、話していることがおかしい。

「正樹はさあ、体でかいし暴れん坊だったからさ、西條さんに嫌われてたんだよねえ」

西條さんも仮名だが、一体誰の事なのかわからない。
知り合いにもそんな人はいない。

「西條さんに嫌われるとやっていけないじゃん?あそこの村」

「だから親父に殺されちゃったんだよね~」

「いやーでもさ、生前暴れん坊だったから化けて出るようになってさ」

「〇〇寺のじじいに封印されたんだって(笑)」

後ろで女の子たちが声を殺して泣いていた。
俺は手の震えを隠せずにいた。

「よし!〇〇(俺)、△△に行こう!」

悪友が言った。
△△というのは、じいちゃんばあちゃん世代より上の世代が言う、県内の繁華街の古い古い言い方だった。
子供の頃にぴっちゃんから聞いたっきり聞いたことがない。
悪友も含め、俺らの年代では知らない人の方が多い。

4/6
コメント(3)
  • 手形が消えないのが解せない❗
    バフで磨いたんだろか?
    グラインダーでも明かんかったのかな??

    2021/07/27/22:06
  • こりゃーきついね、のわりにあっさりとことが済んだのか逆にリアル…
    みんな無事でよかった

    2021/07/30/13:54
  • ついてきた大男に悪友くんは気に入られたのかな?
    あくまでも好意だったからあっさり済んだのかも
    悪友くんはある意味罪な男ですね

    2023/08/15/16:06

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