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呪い・祟り

イエティさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

「可哀想」と思っちゃいけない理由
長編 2021/11/08 08:43 3,865view
動物の祟りってあるんだなって思った話。
※体験者の要望で一部フェイクあり

俺は近畿の田舎の地方公務員。
環境系の部署で働いてる。

普段は農家さんとか農協相手に仕事しているんだが、
時々おもしろい通報が入る。

ヤギが脱走した、牛が逃げてる、とかそんな話。
とにもかくにも現地に向かって捕まえたり、見回りをしたり。

普段の仕事とは全く違うからちょっと楽しくて好きなんだが、
ひとつ嫌なことがある。

それは「害獣を”捕まえた”」っていう通報。

自治体によって異なるかは詳しくないからわからないが、法律上は自作の罠で害獣を捕まえることはNG。

役所に許可を取って罠をレンタルした上でなら、駆除の業者を使って処理でき、法律上もOKなんだが、何度言ってもわからないアホな農家は多々いる。

時期的に春と秋に通報が多い気がする。
先週もオヤジから「たぬきを捕まえた」と通報があり、上司とともにお叱りに行ってきた。
捕獲用の網やロープ、線香を持って。

そのタヌキどうするの?って話だが、非常に酷な話かもしれないがその場で駆除する。
罠に入ったタヌキを用水路とかの水場に沈めて、数分経ったら引き上げる。
本当は駆除業者じゃないとやっちゃダメなんだけど、勝手に捕まえて正規の手順を踏んでない以上俺たちがやるしかない。

駆除したあとは線香で簡単な供養をして農家に説教して終わり。

遠くに逃がしてもタヌキはある程度の距離なら縄張りに戻ってきてしまうし、もっと遠いところへ、となると違う市町村に行かなければならない。
そうなると違う自治体に害獣を放すわけだから別の問題が発生する。駆除するしかないのだ。

上司は「目を合わせるなよ」と言っていた。
運転中は飛び出してきて危険でムカつくタヌキだが、実際近くで見る大人しい姿はちょっと可愛い。
上司が言ったのは情が湧いちまうから・・・だそうだ。
冷酷にならねばならない。

これまで気持ちを押し殺して頑張ってたけど、もう限界だ。

この仕事に関わるようになったのは今年の春から。

俺の1週間ほど前に異動してきた上司とお互い初のタヌキ駆除現場だった。
つい目を合わせてしまった俺らはちょっとショックと怒りを受けていた。
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コメント(1)
  • 怖いというよりも、恐ろしい話

    2021/11/09/07:27

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