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心霊

イエティさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

廃墟の怪物
長編 2021/07/27 09:32 14,139view
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暗闇に目が慣れていた俺たち。
納屋の中にいたものを認識するまで、そう時間はかからなかった。

納屋の大きな梁からロープが垂らされ、左右に振り子のように揺れながら、2mくらいあるであろう大男が吊るされていた。

大男はこっちをみて、ニヤついていた。
「ふしゅー、ふしゅー」と不気味な呼吸音が聞こえてきた。

全員、言葉を交わすでもなく踵を返し車に駆け出した。
後ろから「ブチッ」という音が聞こえてきた。

全員乗ったことを確認し、俺は速攻でエンジンをかけ、元来た道に走り出した。
砂利道をこれでもかってスピードで走るが、くねくねした道だったがゆえに遅い。

悪友に後ろ来てないか!?と聞くと悪友は振り返った。

女の子たちは下を向いてガタガタ震えていた。

来てない!大丈夫!と言う悪友。
「バン!!」という音が左から聞こえた。

驚いて恐る恐る左を見ると、あの大男がにやつきながら窓を叩いていた。
全員とんでもない悲鳴をあげ、加速した。

大男はいくら加速してもついてきた。
バンバンと窓を執拗に叩き続けた。

気が狂いそうな状況の中、俺たちはようやくお地蔵様の地点まで到達した。
まだ狭いが、さっきまでよりスピードは出せる。

アクセルを踏み込もうとした瞬間、悪友が止まれ!と叫んだ。

慌てて急ブレーキを踏んだ。
目の前には大きなシカの群れがいた。

てんぱっていたせいか全く気付かなかった。

そんなことよりあいつは・・・とふと左を見た。いない。
右を見た。いない。

バックミラーを見ると、ブレーキランプに照らされぼんやり赤く光ったあいつが、お地蔵様よりこっち側に来れないでいた。
恐らく、結界的なものだったんだろう。

シカはすぐに走り去っていき、あいつも結界でこっち側には来れない。
ひとまずほっとしたが、まだ何があるかわからない。

急いで戻って街中に出よう、と思った。

3/6
コメント(3)
  • 手形が消えないのが解せない❗
    バフで磨いたんだろか?
    グラインダーでも明かんかったのかな??

    2021/07/27/22:06
  • こりゃーきついね、のわりにあっさりとことが済んだのか逆にリアル…
    みんな無事でよかった

    2021/07/30/13:54
  • ついてきた大男に悪友くんは気に入られたのかな?
    あくまでも好意だったからあっさり済んだのかも
    悪友くんはある意味罪な男ですね

    2023/08/15/16:06

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