パシリ？

以前「見えない猫」を投稿したものです。似たような話を聞いたので、よろしければお読みください。

私の友人は時折変わったモノがよってきます。しかし、彼は霊媒師でもなんでもない一般人です。

ある晩のこと。いつもは朝まで熟睡するはずのなのに、ふと目を覚まします。スマホで時刻を見ればまもなく午前4時。もう一眠りしようとスマホを置こうとした時、彼は視界の端に違和感を覚えました。

そちらを向くと何やら人影のようなものがあります。性別の区別はつきませんが、目が合っているように感じます。
彼は困惑しながらも相手の意図を図ろうとします。静かに見つめていると小声で何かを言っています。「…は…と……いのでしょうか…」
さらに耳を澄ませます。「私は…あと何人連れて行けばいいのでしょうか…」

眠気混じりの頭を働かせて言葉の意味を考えます。(よく分かんないけど死神のパシリ…？なんて言えばいいんだ…)

しばらく考えた後に「俺はあんたの担当じゃないから分かんないよ。ごめんね。」と、彼は言いました。すると次第に影は薄まりそのモノは消え去りました。

「こっちはビビりなんだから、間違えてすみませんぐらい言って欲しかった」と笑いながらこの話を聞かせてくれました。