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不思議体験

prudence1968さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

足跡?
短編 2023/10/22 23:02 1,780view
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自転車で通勤している。
田舎町のため、通勤路脇には畑があったりもする。
今年の5月のことだった。
その畑に面した舗装道路を、朝、会社に向けていそいそとペダルをこいでいると、道に何かの跡が付いているのに気付いた。
付き方、というかパターンというか、は人間の足跡と同じ感じ。
つまり、左右相互に付き、まっすぐ歩いているといっても不規則に微妙に曲がり、間隔もピッタリはしていない。
その付き方からすると、機械的な感じはなかった。
かといって人間や動物の足跡には見えなかった。
なぜかというと、一つ一つが「C」をもっと縦に伸ばした形をしていたからだ。
Cの切れた方が内側で、大きさは見た目からすると縦方向が15cm位、横幅は7~8cm、Cの線の太さは1cmといったところだった(通勤途中だったので、自転車を止めてまで調べたり、写真を撮ったりはしなかった)。
その跡は、濡れて付いているのではなく、土や泥で付いているようだった。
自転車に乗りながらそのまま見ていくと、畑の中へと続いていて(というか畑から始まっていて)、やっぱり土で付いた跡なのだろうと思った。

その畑の中を通りがてらちょっと見たところでは、どこかがぐちゃぐちゃに荒らされているといった、跡の原因になるようなことはないようだった。

その跡がどこまで付いているか、帰りに見ようと思ったが、残業で夜遅くなり暗くてよく見えなかったので、次の日の朝確かめた。
すると奇妙なことに畑から50m位のところで突然途切れていることが分かった(通勤方向からすると、突然、その跡が始まるということ)。
もう一つ奇妙だったのは、そんな細くて土がたくさん裏側にくっつきそうもないCの字の形なのに、畑からその消える地点まで、跡の濃さが変わらないことだった。
その後、ほぼ毎日その跡を横目(下目?)にしながら通勤したわけだが、5月に付いた足跡が、梅雨を過ぎてさらに8月になっても残っていたことも不思議だった。完全に消えたのは9月に入ってからだった。
跡を付けた主らしきものには遭遇していない。

頭によぎったのは、1855年にイギリスで起こったデボンシャー事件だった。
朝の雪の上を10cm×7.5cmの跡が延々160kmにわたって付いていたというもの。
しかも壁を越えた向こう側にもそのまま連続して付いていたという。
ひづめのような形をしていたということで、今回見たのと形は若干似ているが、そちらは足跡のように交互についているのではなく、1列だったそうだ。
(詳しくはぜひ検索してみてください)
この事件ほど奇妙でないにしても、自分が見た跡も腑に落ちないことが多かった。

そしてここからは、人から聞いた足跡に関する噂話。
自分が奇妙な跡を見た場所から西へ1km位行った所に、鉄道をくぐるためのトンネル状の歩道がある。
入口は階段になっているが、中央部分は自転車を引けるよう平面の坂になっている。
(ここは自分も通ったことはあるので知っている)
噂なので、いつのことかは分からないが、その坂になった部分にある日、足跡が付いていたのだという。
しかも裸足で、泥で付いているようだったらしい。ちなみにそこの周りには畑や田んぼはない。
変だったのは、その坂の部分から突然足跡が始まり、トンネルに入ってしばらくした所で両足を揃える状態になっているのを最後にその先はなく、途切れていたことだそうた。
突然始まる裸足の泥の足跡が突然消える・・・。
誰かのいたずらとも考えられるが、だとしたらさぞかし暇人だ。
そして、それが見つかった数日後、通学でそこを通っている女子高生が、歩道トンネルに入ると、トンネルの天上から人間の頭がヌッと逆さまに出てこちらを見ていたのだという。
その場所は、ちょうど足跡が途切れた真上だったらしい。
その女子高生は、そのルートはもう使わなくなったそうだ。そりゃそうだろう。
他にその頭を見た人がいるかどうかは分からない。
その足跡は、だんだん薄れて3週間位して完全に消えたようだ。

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