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心霊

prudence1968さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

誰が窓から入って来たのか?
短編 2023/02/12 11:24 1,283view

小学生の時、先生から聞いた話。

私が住んでいた町の隣町であった事。
ある主婦がその隣町に住んでいた。
その日もいつものように家事をしていたという。
仏間を掃除していると突然、ガシャーンと窓ガラスが割れた。
そりゃもうびっくりして、反射的に頭を抱えたらしい。
野球のボールでも飛び込んできたのかと。

窓の方を振り返ってまた驚いた。
窓ガラスは割れていなかったのだ。
「いくらなんでもそんな空耳あるか?」と思ったが、今度はそれを見つけてさらに驚いた。

畳に濡れたような人の足跡が!
自分が何かをこぼしたのがたまたまそう見えるだけか?と、少し覗きこむように近づいた次の瞬間、気を失ったらしい。
ペタッと足跡が一つ増えたのだ。

気を取り戻すと、足跡は割れた音がした窓の下から、全部で7つ付いていたらしい。
足跡の行先は仏壇!
一体誰が窓から入ってきたというのか?
仏壇に何の用なのか?
足跡の行先は仏壇だったが、手荒な様子からして自分の先祖とは思えなかったらしい。

足跡は、濡れたように見えていただけで、しばらくしても乾いて消えることはなかった。
足跡に近づくのさえ不気味だったが、そのまま残っているのもさすがに気持ちが悪いと思ったその主婦は、雑巾をかけた。

ところが、どれだけふいても足跡は消えなかったらしい。
翌日になっても消えず、またふいてみる、の繰り返しだったという。

その後、何日か経って足跡は自然と消えたらしい。
しかし、消え方がいやらしく、窓側のものから1日に1つずつ位のペースで、1週間ほどかかってだんだん消えたという。
仏壇に来た何者かが去ったのかどうかはよく分からなかったが、足跡が消えただけでも主婦は安堵した。

ところが、それも束の間、足跡が全て消えた翌日、雑巾をかけていた主婦の利き腕である右腕がパンパンに腫れあがってしまった。
痛くて動かせず病院で診てもらったが、原因は不明。
主婦は当然、足跡との関連を疑い、窓から入って来た者の悪意を感じ、町内のお寺へ。
事情を話してお祓いをしてもらったところ、腕の腫れは次第におさまったという。

私が忘れてしまったのか、先生が話さなかったのか、その土地やその家のいわく、主婦の生い立ち、お寺で足跡の主が誰だと言われたのか、といった肝心のことが記憶になく、尻切れとんぼで申し訳ない。

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