娘の絵の中に

だって娘の絵にはわーちゃんが私の首を絞めている絵が描かれていたからなのです。

急に息苦しくなったような気がして、私は急いでお風呂場の前にある鏡を見たのです。

そしたら私の首にくっきりと首を絞めた跡のような手形ができており、思わず変な声が出てしまいました。

夫が仕事から帰宅してきてすぐに首を絞められた跡のようなアザを見せて、娘の絵のことを相談しました。

さすがにその首を見て慌てた夫は真剣に話を聞いてくれました。

それでやっと判明したのですが、実は夫には私と結婚する前に少し付き合っていた女性がいるらしいのです。

その人の名前が「稚菜」。

よく友達から「わーちゃん」と呼ばれていたといいました。

その人は今何をしているのか夫に聞くと、もう何年も前に自殺して亡くなっていることを知りました。

夫をそれ以上深く追及できなかったけど、私と結婚する前の夫は女性にとてもだらしない人で、いろんなトラブルがあったと聞きます。

私と結婚して家庭を持ってからは心を入れ替えたらしいですが、それまでの夫は女にだらしなく、本当に酷かったらしいです。

そのことから考えるにろくな別れ方をしなかったんじゃないかと思いました。

その後、あまりに怖いので、3人で有名な霊能者さんに除霊してもらいました。

神社で祈祷もしたし、一時はしっかり除霊ができたと思いました。

そのおかげもあり、それから娘がわーちゃんの絵を描くことも、わーちゃんの話をすることはめっきり無くなりました。

けれど、今でもたまに起きて鏡を見ると、首を絞められたあざができている日があるのです。

すぐ消えるので夫には相談していないのですが、私は今もまだわーちゃんはすぐ傍にいるんじゃないかと怯えて暮らす毎日です。