死を予見する能力

しかたなく。部屋の戸を開けて洗面場の方をみてみると。薄暗い廊下の

先の水道からはただ水が水道からでているだけだで。そばに人は見えませんでした。

とても不自然に思いましたが。誰も止めに来ず起きても来ないので

仕方なく。私が止めにいくことにしました。

その時おかしいなと思いました。足音は行きの音はしたけど

戻ってくる足音は聞こえてないのです。洗面場が行き止まり

の場所ですから。水道を開けたのなら帰ってくる足音が聞こえなくてはいけないのに

それはありませんでした。

不自然に思いながらも仕方ないので私は水道を止めに

行くことに。そして洗面所にたどり着き勢い良く流れ出る水を止めて

振り返った時のことです。私の入院している部屋の中に何かスーッと

入っていくのが見えて大変驚きました。

なんだろう？目の錯覚かなと思いながら。ドキドキ

しながら部屋に戻りました。すると窓際に近いところに誰か

車いすで座っているのです。目を凝らしてみるとそれは

祖父でした。大変おどろいていると祖父の周りがぼーっと明るくなりました。

なんだろうと思ったとたん更に驚きました。祖父の周りには

死神が二人いたのです。それは漫画でみる死神そのもでした。

そこから先は気を失ったのか。気が付くとベットで寝ていました。

ただまるで水でもかぶったかの様に髪が濡れていました。

そこから退院して祖父の顔を見た時はほっとしました。

ただそこから私は奇妙な夢を何度も見るようになりました。

祖父が濁流の川に転落する夢を。もちろん病院での出来事は

誰にもはなしませんでしたが。しばらくしたときのことです。

体調の回復した祖父は一人で入浴していて。湯上りに突然私の

目の前で倒れて帰らぬ人になりました。

祖父が亡くなったときは。災害級の大雨が降り注ぐ

晩の事でした。通夜も葬式も雨は止むことなく降りました。

私が死神と祖父を見たのも雨の晩。そして奇妙な水道

あの夢全て水が関わっていることに奇妙な因縁を