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心霊

cocoroさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

H県のI銀山で連れて帰ってきたもの
長編 2022/07/07 21:29 4,896view

 気功を使うにも、集中しないといけないし、この場にたくさんの霊がいたら未熟者なので大変なことになってしまいます。幸いなことに坑道に入ってきているのは私達だけのようで誰ともすれ違わず、声を聞こえません。

 お守りをポケットに入れて、水晶を片手にぶら下げ、彼におんぶしてもらうこともできましたが、霊が彼の方に移ってしまっては困るので、気合をいれ、自分の足で歩くことにしました。

 鈴は魔除けの効果があるとかなんとかというのを思いだし、

『チリン、チリン』軽く振ってみると小さな音が耳に響き、現実感が戻ってきます。

さらに強く振ると

『チリン、チリン!』足の重さが少しマシになって、一歩、また、一歩動けるようになってきました。

いける!あんなに入ってくるときは、早かった道のりが気が遠くなるくらいの距離を感じます。彼に支えてもらい、時間をかけて外に出られた時には、もう夕方でした。

私『ごめん。やっとでてこれたね。。。。出られないかと思ったわ。もし一人で、中で、でられなくなってたら、どうなっていたんやろ。こわっいわ。。。』

彼『大丈夫や、かついで出る。大丈夫か?気分は?足は?体は?どうもないか?』

鈴と水晶とお守りと気合と彼のおかげで何とか出てこれて、もうこれで浄化もできてもらってきてものは、落としてきたと思っていました。

私『足も体もましになったし、動けるようになったから大丈夫かな(笑)でも、凄い疲れたから、もう帰らん?』

私はこのままどこかへ寄る気力もうせて、家に帰りたくなりました。

彼『わかった。疲れたやろから、よく休みな。』

彼もこのことはここで終わったと思っていました。

後ろを振り返ることもなく、あそこからでられた解放感にとても満ちていました。

これが、あとで私だけの感情ではなかったということを思い知らされることになります。

彼に家まで送ってもらって、部屋に上がった私は、ひと眠りをして気付いたら、夜でした。

夕食がまだだったので、ご飯を軽く食べ、お風呂にも入り、布団に入り、またすぐに寝てしまいました。

 あの外に出た時の解放感のせいで終わったことになってしまっていたのですが。。。

この時に、なぜ、気功を使い、すぐにもらったものを浄化しなかったのか、3日間悔やむことになります。深夜2時ごろ、うなされ息苦しくて目を覚ました私は、目を覚ましても息苦しさが抜けず、体がおかしいことにやっと気づきました。

 (なんか、異常に息をしても空気が入ってこない、おかしい…)

『はぁ…はぁ…はぁ…』

体が金縛りにあっているわけでもなく、誰かがいるわけでもなく、寒気もないし…。

体もなんかだるい。

『す~、は~~~』息苦しい。。。。夜だったので鈴を触るわけにもいかず、気功を使い、浄化を試みる、二本の指で胸をとんとんたたき、教えられた言葉を念じながら、今日もらったやつを浄化してください。と体の前で気をためていく、ふつうは温かい気がたまるのだが、今日に限って、涼やかな気が途中まじり、集中できない。

あ~息苦しい。なんどやっても、未熟者には無理だった。

 次の日の朝、さっそく、気功の先生に電話をして、予約をとることに。

自分で浄化できなかったことが恥ずかしかったので、ただ行きたいとだけ伝えた。

明日の予約がとれた、昼からだ。

今日は日中からずっと息苦しく、その日の夜も酸欠のような苦しさと戦っていた。

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