友人の訪問

俺は驚いた
あいつ、俺以外のところにも行っていたのか

「お前のところにも来たのかよ。なあ、あいつとお前ってそこまで仲良かったわけじゃないよな？　まあ、俺もそうだけど
なんで、いきなり家に来たんだろうな？　っていうか、俺、あいつに今住んでいるとこ教えてねぇのに」

「お前もそうか。なんだろうな。何か変なビジネスの勧誘かな？　でも、一時間話して、そんな話は出てこなかったけどな」

「え？　一時間話をしてってお前家に入れたのか？」

「ああ。そうだけど、お前は入れなかったのか？」

「だって、あまりに急だし、そこまで仲良かったわけじゃないのに入れねぇよ。これから出かけるからって追い返したんだ」

そうか

俺もそうした方がよかったかな

「とにかくなんか怪しいな。ちょっと俺あいつのこと調べてみるよ。お前、今度またあいつ来たら家に入れないようにした方がいいぞ」

「ああ。そうかもな」

俺はその後、俺の方でも調べてみることにした
といっても、他の高校時代の友達にＡが来たか聞いただけだけど

すると、数人が自分のところにも来たと教えてくれた

内容はまったく同じ

いきなり家に来て、家に入れたら一時間ほど話して帰っていった
やはり自分が住んでいる場所を教えていないはずなのにだ

ただ、特に変なビジネスなり宗教の話をされたわけではないようだった

何が目的なんだろう

不気味さが増すばかりだ

だが、もう探りようがなかった

俺はあいつの連絡先を知らないし、他のみんなも知らなかった

それから一週間後
あいつのことを忘れかけていた頃

とんでもないことが起きた

Ｂが死んでしまったのだ

俺が通っていた高校近くをバイクで走らせている時にトラックに激突して死んだというのだ
即死だったらしい