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呪い・祟り

「3つ目のねがいごと」
長編 2021/03/15 03:29 10,446view
私が小学校四年生の時。
近くのスーパーの2階にあった文房具屋さんに、友達のサキちゃんとマリコちゃんと集まるのが日課だった。



もちろん勉強に必要なノートや鉛筆なんかには全然興味がない。いろんな匂いのする消しゴムやカラフルで綺麗なペン、可愛いキャラクターものの小物なんかを、3人でいつも物色していた。
その中でも私たちが夢中になったのは「まほうつかいのアイテム」というシリーズだ。



よくある女の子の好きな「おまじない」につかう玩具で「すきなひとの名前を書くと恋が実るペン」だとか「まほうの水が入った小瓶」だとか、今思えば他愛のない代物だった。



ある日いつものように少ないお小遣いで小物を買ってお店を出た後、サキちゃんが「まほうつかい」シリーズの中の「ねがいごとが叶う紙」というのを取り出して私たちに分けてくれた。


「ねがいごとが叶う紙」は1パックに3枚薄いピンク色の紙が入っていて、その薄い紙に願い事を書いて水に溶かすと願い事が叶う、というものだ。
サキちゃんは3つあるから1つずつね、と私とマリコちゃんにそれをくれた。



お店も閉まって、さっそくサキちゃんの家に行って願い事をしようということになった。


外はもうすっかり暗かったけど、やっぱり「まほう」なんだから暗い方がムードが出るし、夜にひっそり子供だけで遊ぶというのはドキドキするものだ。


幸いサキちゃん家のお母さんは夜仕事でいないし、マリコちゃんの家も親は遅くまで帰ってこない。私のママもこの前生まれた妹にかかりきりで、私がちょっとくらい外で遅くまで遊んでても何も言わなかった。



とはいえ、さあ願い事をしようなんて言われてもそうそう思い浮かばない。3人でそれぞれひたすら考えてやっと出た願い事は、実にばかばかしいものだった。



私は「32色の色えんぴつがほしい」



サキちゃんは「びじんになりたい」



マリコちゃんは「じぶん1人のへやがほしい」



ほんとに叶うのかなあ、なんて3人で笑いながら、コップに入れた水に紙を入れると、消えるように一瞬で溶けて無くなった。今思えば溶けやすい素材を使っていたのだろう。
でも、私たちには魔法のように不思議に映った。

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関連タグ: #事故物件#声#記憶
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コメント(1)
  • すごくいいですかなりゾクっとしました!

    2021/03/16/22:35