本当に幽霊が出るおばけ屋敷でのアルバイト

友人一緒に、地元のコンベンションセンターでお化け屋敷スタッフのアルバイトをしたときの体験です。

昼休憩になり、私が控室に向かうと、先に戻ってきていた友人Aが青い顔をしています。
「どうしたの？」とたずねると、「この部屋、ほかに誰もいないよね？」と言います。
「いないよ。なんで？」
Aは、実は……と話し始めました。
Aが休憩していると、部屋の隅にあるロッカーの後ろから、突然、白い腕がスーッと真横に伸びてきた。その手が、ゆっくりとこちらに向かっておいでおいでをする。
Aは一瞬びっくりしましたが、どうやら先に戻った私が隠れていて、悪戯をしているのだと思ったそうです。

「やめてよ、怖いよw」と声をかけると、腕がスーッと引っ込んでいきます。

しかし、なかなか私が姿を現さないので変だと思ってロッカーの裏を覗きに行くと、ロッカーの後ろはすぐ壁になっていて、人が入れるスペースはなく、誰もいなかったと言うのです。
呆然としているところに、私が入ってきたそうです。
冗談を言っているのかと思いましたが、Aは本気で怖がっていました。

そのおばけ屋敷の期間中は、他にも色々と奇妙な噂が囁かれていました。
すぐ後ろで作業する人の気配があったのに、振り返ると誰もいないとか、変な客が来て受付に「幽霊がいっぱいいます」とだけ呟いて帰って行ったとか。

今でも毎年夏になると、そのコンベンションセンターではおばけ屋敷のイベントを行っています。
おかしな出来事は、ずっと続いているのでしょうか。