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ヤマネさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

夜の校舎の屋上に現れた”いかにも貞子さん”
短編 2021/08/31 21:03 964view

小学生の頃の話です。
私が通っていた小学校では、6年生だけが楽しめる「学校泊」というイベントがありました。
夏休みにクラスメイトと担任の先生だけで学校に泊まって、
夕ご飯を作ったり、スポーツ大会をしたり、肝試しをしたりした後、
体育館や教室など各々の好きな部屋で眠るという何とも自由なイベントでした。
夜の学校というだけで、ちょっと怖いけどワクワクしていて、とても楽しみにしていたのを覚えています。

日も落ちた午後7時過ぎ、友達とグラウンドを散歩していた時のことです。
ふと校舎の屋上を見上げると、白いワンピースを着た黒髪の女性が立っているのに気付きました。
当時は映画リングが流行っていたのですが、その女性は”いかにも貞子さん”のような姿でした。

私が「屋上に誰かいるよ、お化けかな?」と言いました。
本当にお化けだと思ったのではなく、「この後の肝試しのために、誰かのお母さんが変装しているんだな」と思ったので気軽に口に出したのですが
友達の半分ほどは「ほんとだ!!」と驚いており、
もう半分は「え?見えないよ」と。
見える人と見えない人がいることで少しパニックになったのを覚えています。

そこへ担任の先生がやってきて
「暗くてよく見えないからだよ!!」
と場を沈め、私たちは教室に戻りました。

時刻は午後9時を回り、肝試しの時間に。

”いかにも貞子さん”を見た人同士で「さっきの人、いつ出てくるかな?」とちょっぴりワクワクしながらの肝試し。

結局、ゴールまで来ても”いかにも貞子さん”は現れませんでした。

不思議に思いながらも、肝試しの後は、みんなで夜のプールに入りました。
今流行りのナイトプールパシャパシャ、です。
・・・というのは冗談で、学校にはお風呂がないのでプールに入るという昔からの伝統でした。

プールから見える校舎の屋上に、またしても”いかにも貞子さん”がいるのに気付いてしまいました。
が、いよいよ怖くなってきて今度は誰にも言わずひっそりと眺めていました。

じっと眺めていたら、うすーく、うすーくなっていきました。
「えっ」と思わず声が漏れた直後にはもう消えて居なくなっていたのです。
あの”いかにも貞子さん”は何だったのか、今でもふと思い出してはゾクッとします。

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