ヒキニクデス!!　(グロ注意)

ボクの意識は遠くなっていった。

・・・・・・

高速での事故の一報にレスキュー隊が駆けつける。

クルマを運転していた男性と、後部座席の女性、女の子の三人を救出した。

車外を捜索していたレスキュー隊員が叫ぶ。「こっちはダメ、即死だ!　防音壁の小さい穴から裏側に濾されてる。まるでひき肉だ・・・」

「ﾋｷﾆｸﾃﾞｽ!! ﾋｷﾆｸﾃﾞｽ!! ﾋｷﾆｸﾃﾞｽ!! ・・・ゲラゲラゲラ」

別のレスキュー隊の一人が、クルマの中から音のするスマホを拾い上げた。

「なんだこりゃ!? 皮肉か?」

そう言ってスマホのスイッチを切ろうとした瞬間、
ガガガーーと大きな音が迫って来た。

事故で通行止めにしていたのを無視して、あるいは居眠りなのか、大型ダンプが滑り込んできた。急ブレーキをしたが間に合わないという感じで横滑りしてきた。

「うわぁ!」スマホを持っていたレスキュー隊員が、横転したダンプに磨り潰された。

ダンプの下から伸びた血まみれの腕には、しっかりとスマホが握られたままになっていた。
スマホはまだ鳴り続ける。

「ﾋｷﾆｸﾃﾞｽ!! ﾋｷﾆｸﾃﾞｽ!! ﾋｷﾆｸﾃﾞｽ!! ・・・ｱｰﾊｯﾊｯﾊ!!」

「なんてこった・・・」目の前で起きた仲間の惨劇に唖然とする隊員たち。
今の事故で出発しようとしていた救急車まで足止めをくらった。
現場を絶望感が支配している。

・・・だが、真の絶望はまだこれからであった。スマホから別の声が聞こえ出した。

「ﾔｷﾆｸﾃﾞｽ!! ﾔｷﾆｸﾃﾞｽ!! ﾔｷﾆｸﾃﾞｽ!! 」