ごぼるるるるる

ある日夜遅くに街を歩いていた。
ちょっと外れた裏路地みたいなところを歩いていたので人は少ない。

マンションとかビルとかそういったちょっと縦長の建物の間を歩いていた時、入り組んだ路地から「ごぼるるるるる……ごぶっ……ごぽっ……」とうがいをしていてむせた時のような音がした。

少し間をおいて「ごぼるるるるる…」となっている。

その日は「夜も遅いし誰かがうがいでもしてるんだろうか」と思って立ち去った。

別の日に大通り側からその裏路地の方に行ったところ、今度は「げほっ……ごぷっ……ごぶっ……」といった感じの音の後に「ごぼるるるるる……」と繋がっていた。

何日かその音は聞こえていたがある日ぽつりと聞こえなくなった。
ただ、最後に聞こえた日には「おんぶるるるる……おんぶるるるる……」と巻舌でなにか言っているような感じの音だった。

ちなみにだが、喉頭だか咽頭だか、そこら辺まで液体、特に血液など普通の水より粘性がある液体が入り込むと呼吸と共にそんな音が鳴ると看護師になった同級生から聞いた。