店長って何者なんですか？

私の店長は俗に言う「霊感が強い人」にあたるのだろう。
私自身も色々と調べるうちに「実は私が思い込みとかで霊感あるように思っているだけでは？」とか思うことが多々あったのだが、店長のことを考えると「でも
店長に関しては説明つかないな……。」となることがありました。

なので2023年6月11日、店長に話を聞いてみました。

「そういえば、店長って元々仕事とかって何してたんですか？」
今となってはむしろ珍しくなった店長と2人きりの時間に話をふってみた。店長は
「昔かい？バブルとか含めて今より景気がいい時あったからねぇ〜。朝も昼もサラリーマンしてたよ。でもいつかこうやってお店開きたいなって思ってお金貯めたり土地の準備してたんだ。そこからまぁ何やかんやあってOくんが学生の時にお店に開いたわけだけど。」

「最初っから1人でやろうと思ったんですか？」

「いやいや、さすがにそんなことはないさ。元々、妻と一緒にこじんまりした喫茶店にしようと思ったんだけどねぇ……。」

「前々から思ってましたが、やっぱり奥さんは……。」

「癌でね。私は医学はそこまで詳しくないけど浸潤がんって言うんだったかな。子どもには苦労かけたさ。でも、やっぱり2人でこうやってお店開きたかったからさ。夢だけは諦めたくなかったんだよねぇ〜。」

そう言う店長はいつも通りの表情でした。

「子どもは大きくなって今では私も祖父だけども、そろそろ老人ホームとか考えたらどう？って言われてね。でも、お店は生きてる間は畳みたくないからねぇ。まぁ、最悪、倒れたらOくんに任せるよ。」

笑っていう店長さん。

「もしかして、奥さんが亡くなってから霊感が？」
と聞くと

「それは分からないね。でも、今でも寂しくて仕方ないんだ。朝起きて珈琲を用意しても一緒に飲んでくれる人はもういない。仏壇に供えたりするけど、やっぱり逢えないって辛いからね。たぶん、ずっと逢いたいと思っているから見えると思ってるのかもね。だって、本当に見えるのならとっくに見えてると思うから。」

もしかしたらOくんがあの時見えるようになったのは実は集団幻覚みたいなものなのかもね。
と店長さんは付け足した。

オチとかは特にないです。でも、喫茶店で勤めててやっと店長の心の一部が見えました。
多分、ここに経験談書いてなかったら知らないままだったと思います。