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不思議体験

ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

嵐のような風の日に
長編 2023/03/18 18:17 3,957view

なんだか怖いので、もうさすがに佐藤さん家の間違い電話はやめてほしいと思いました。

そこで佐藤さんといえば、そういえば夢で出てきた自分が「佐藤さん」と呼ばれていたことを思い出したのです。

なんだか怖い夢と間違い電話がリンクしたことで、また怖くなりました。

私には佐藤さんという知り合いなんていなかったし、どこの誰なんだとぞくぞく背中に寒気がしました。

外を見ると相変わらず風と雨は強まっており、窓から見るともう薄暗くなってきていました。

そろそろ家族が帰ってくる時間だし、何か作ろうかと立ち上がりました。

そしたら「ピンポーン」といいタイミングでインターホンが鳴りました。

家族の誰かが帰ってきたと思って、私はすぐにモニターを見たのです。

その後私は固まって動けなくなります。

理由はモニターに血みどろになった女の人が映ったからなのです。

服が真っ赤に染まって、血まみれですごい状態でした。

私が動けないでモニターを見ていると、もう一度インターホンが「ピンポーン」と鳴りました。

そして外から「佐藤です」と声をかけられました。

それを耳にした瞬間、私の体はさらに固まりました。

モニター越しに私と女性はしばらく見つめあいました。

そして、私が身を固くしたまま出ていかないでいると、その女性は静かに引き返していきました。

それからどのくらい時間が経ったのか分かりません。

もうずっと恐怖に固まったままでした。

窓の外は真っ暗になり、やっと母が家に帰ってきたのです。

帰ってくるなり、「電気もつけないで何してるの」と叱られました。

でも私はあまりの怖さで、帰ってきてくれたことにひたすら感謝しました。

何も言えないでいる、いつもと様子が違う私を母はかなり不審な目で見ていました。

あの後、気になってご近所さんに佐藤さんのことを聞いてみたけど、このあたりに住んでいる人で佐藤さんはいませんでした。

もしかして前に住んでいた人とか?と思い、調べてみましたが、自宅が建つ前に住んでいた人は「藤本さん」というらしく、佐藤さんではなかったです。

家族に聞いてみたけど、佐藤さんという知り合いはいなかったし、うちにはまったく関係ない人みたいです。

じゃああれは誰だったのだろうと今も思います。

嵐のような風の日に、何かの間違いでどこかと繋がってしまったのでしょうか。

もしかしたらあの夢の佐藤さんは現実にいた人なのかもしれないと少し思っています。

夢で見たあの家は今もなぜかくっきりと記憶に残っています。

できれば許してほしいですが、もしあの家を見つけたら、私は夢で遺体を埋めたあの場所を掘り返さないといけないのかもしれません。

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