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心霊

minishoさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

夜中の訪問者
長編 2023/03/13 00:20 3,002view

私の母方の実家は、霊がはっきりと見える事は稀ではあるものの、霊感が強い人が多い家系です。特に、私の祖父は大人になってからも、タクシー運転手として仕事をしていた際に、怖い経験をしていたそうです。
私の母と叔父も、子供の頃に怖い経験をした事があると、聞いていました。

私自身は、あまり霊感というものは感じていませんでしたが、母から聞いたところによると、2,3歳の頃によく、家の天井に向かって笑いかけたり、手を振ったり、誰かに話しかけていたそうです。自分では全く覚えていないですし、小学2年生の時に怖い経験をするまでは、霊感というものも信じていませんでした。

小学2年生の頃、母方の曽祖母が亡くなりました。
そのため、夏休みは曽祖母の初盆ということもあり、親族一同、祖母の家に集まりました。

私達の家から祖母の家までは、車で片道2時間以上かかるため、お盆の期間は祖母の家に泊まる事になっていました。
お坊さんにお経を読んでもらい、親族と祖母の家で食事。
片付けを手伝ったりしている間に、親族の大人達は、お酒を飲んだこともあるのか、居間で居眠りしていました。

私と妹達も長時間の車の移動で疲れが出てしまったのか、みんなと一緒に居間で居眠りをしてしまいました。
居眠りをしていたら、家のチャイムが鳴ったので、目が覚めました。親族の大人達も目を覚ましたのですが、夜中の1時を回っていました。

初盆といっても、さすがにこんな真夜中に訪問してくる人はいないよね…
と緊迫した空気が流れました。

家の造り上、居間の窓から玄関の入り口が見えるので、窓から玄関を覗きましたが、誰もいませんでした。
叔父が外まで見に行きましたが、特に誰かいた様子もなかったのです。

初盆なので、曽祖母が気づいて欲しくてチャイムを鳴らしたのかもね?不思議なこともあるね。
という事で納得したので、怖いという気持ちはありませんでした。時間も時間だったので、寝室で寝ることに。

まさか、この後想像した事もないような恐怖に見舞われるとは思っていませんでした。

寝室で家族みんなで寝ていたのですが、私は何故かすぐに眠りにつけず、寝返りを繰り返していました。
すると、祖父と祖母の寝室がある2階から、誰かが降りてくる足跡が聞こえました。

当然疑う事なく、祖父か祖母が起きてきたのかな?と思っていたのですが、なぜか起きている事がバレてはいけない様な気がして、頑張って寝たふりをしていました。

足跡は遠ざかり、洗面所か台所で水を流しているような音が聞こえたので、誰かトイレに行ったのかな?と思っていたのですが、この時から寒気が止まらず、なぜか分からないのですが、絶対に廊下の扉の方を見たらダメだ!
と感じていました。

というのも、祖父母の家は古い建物なので、私達が寝ていた部屋の扉はドアではなく、すりガラスの襖扉の様な形なのです。
もしも扉の方を向けば、部屋の外にいる””誰か””に気づかれる。

気づかれたら、きっとこっちにくる。
と子供ながらに恐怖を感じた私は、必死に寝たふりをして過ごしました。

5分ほど経過した頃でしょうか。
変な気配が無くなり安心したのも束の間。
私達が寝ていた部屋の襖を挟んで反対の部屋から、変な物音が聞こえ始めたのです。
“”カリカリ、ガリッ…カリカリカリ…””というような、何かを引っ掻くような物音でした。

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