背後にいたのは誰？

私は中学生の時、陸上部に所属していました。駅伝大会が行われるコースを大会前に試走しに行ったときの出来事です。

そのコースは近くにダムがあり地元では心霊スポットとして有名でした。

白昼ですが辺りはダムと山で自然がキレイなところですが心霊スポットと知っていたからか少し気味が悪いと感じました。私たち以外あまり人もいませんでした。

一斉にスタートし、最初はほぼ皆同じペースでしたが徐々に差は開き始め、最後の上り坂にさしかかる頃には前の人は見えないくらい差があいていました。

後ろは振り返りませんでしたが坂の途中、私の背後、すぐ近くで誰かの足音が聞こえ気配も感じました。

坂を上りきるとゴールだったので、抜かれるものかとラストスパートをかけ必死に走りました。無事抜かれることなくゴールし、しばらくすると次の子がゴールしました。

私の次にゴールした子に「私坂であなたに抜かれそうだったよね？足音が聞こえたから抜かれる！と思って最後頑張れたよ」と話すとその子は不思議そうな顔をして、

「私はあなたの背中も見えないくらい離れていたよ」と言いました。そんなに離れていたならその子の足音でもないだろうし、その子は坂で誰にも抜かれなかったというので他の子の足音だったわけもなく一気にゾッとしました。

私の背後を走っていたのは誰だったのでしょうか。