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心霊

八尺マンさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

深夜に話した友達
短編 2022/07/24 17:20 5,845view
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「いいから家を出るな! 誰が来ても玄関ドアを開けるなよ。たとえ俺が呼んだとしてもだ。いいな!!」

そう言って、電話が切れた

かなり切羽詰まった様子だった

俺はかなり怖くなった
昨日の夜にリビングにいたA

あれが何だっていうんだ?
あれはAじゃないのか?

そんなことを考えていると、インターホンが鳴った
同時に声が聞こえてきた

「おーい。Aだよ。開けてくれよ」

Aの声だった

俺は反射的に玄関のドアに向かい、ドアの鍵を開けようとしてたが、寸前のところで止まることができた

Aじゃない
ドアの向こうにいるのは、Aじゃない

だって、Aは琵琶湖に旅行に行っていて、今から帰るところなんだ
どんなに急いだって、ここにいられるわけがない
声はAだけど、向こうにいるのはAじゃない

俺は自分の足が震えているのに気付いた

なおも声は続く

「おーい。Aだよ。開けてくれよ」

抑揚のない声だった

声はAのものに間違いないが、まったく人間味のない声というか
とにかく不気味な声だった

やがて、ドアがノックされるようになった

最初は静かな調子だったが、どんどん激しくなっていった

ドンドンドンドン!!!

「おーい。Aだよ。開けてくれよ」

俺は自分の部屋に逃げ込み、ベッドの布団を頭にかぶって必死に耐えた

開けちゃいけない! 開けちゃいけない!

俺は目をつぶって、俺は奴がいなくなるのをひたすら待った

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