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呪い・祟り

四川獅門さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

呪(まじない)
短編 2021/02/10 16:04 6,827view
体験者 速水 香 (当時21才 仮名)

2005年12月 東京都 S区

今から10年以上前、日本である物が話題になった。
幸運を呼ぶ人形だ。異国の地から伝来したその人形は、テレビで紹介されるなり瞬く間に大人気となった。叶わぬ恋を叶え、貧しい者に富を、病める者に健康を与える。
速水さんもその神秘に魅了された1人だった。

バイト先が海外の品を取り扱う雑貨店だったため、人形の入手は容易だった。速水さんは男女ペアになった人形を2セット入手した。

その人形は木製の体に植物の繊維で作られた手足が生えていて、男と女を模した2体がセットになっている。エキゾチックな工芸品だ。
人形の手足の結び方で、叶う願いが決まっている。

速水さんは手に入れた2対の人形を、恋愛と金運の願いを込めて結び、自室の机にしまい込んだ。

「遊び半分のおまじないでした。テレビで紹介されてたし、なんの違和感もなくて……」

しばらく経ったある日、速水さんの親友の大野さんが亡くなった。大野さんは夜中に悲鳴を上げ、両親が部屋に駆けつけた時には絶命していた。突然死だった。
速水さんは大野さんの彼氏を慰め、自分も彼に慰められた。お互いを必要とし合う仲になっていった。

程なくして、彼女の父親が事故で亡くなった。倉庫に積み上げられた資材が崩れ、下敷きになった。
諸事情により多額の金が舞い込んだ。

恋人と富を手に入れた速水さんはふと思い出した。自分が願掛けしたあの人形だ。
恐る恐る引き出しを引く。おかしい。
ものすごい臭いだ。古い公衆トイレのような臭い。慌てて引き出しを閉めようとした時、引き出しから虫が一匹飛び出した。
蝿だ。蝿が顔の周りを飛び回り、あっという間に鼻から侵入された。
乱暴にむせても鼻をかんでも、蝿は出てこなかった。しばらく高熱に苦しんだ。

それから現在に至るまで、速水さんは頻発する病気や怪我に悩まされている。
速水さんはこう語る

「"まじない"って漢字で『呪』って書くんです。遊び半分でやっちゃダメなんですよね。きっと……。私がやった事は、おまじないじゃなくて、立派なノロイなんです……」


2011年 東京都 X区の病室にて
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コメント(2)
  • うち、その人形飾りっぱなしだ…

    2021/02/10/19:34
  • 呪いって存在しますよね。本人にかえってくるし。

    2021/02/10/23:31

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