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呪い・祟り

HODさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

わらう女
長編 2022/07/11 10:39 4,968view
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翌日、問い合わせが始まるという時間になり、電話の前で待っていましたが、一向に電話が鳴りません。

1時間たっても鳴らないので、兄に、問い合わせゼロ、とメールしました。

すると、準備に携わっていた責任感からか、兄が一応電話してみる、と返信してくれました。

そして、すぐに私の携帯に電話がかかり、固定電話が繋がってない、かけてもコール音がしない、と

慌てた様子で言いました。

私も驚き、自分の携帯から塾の問い合わせ電話にかけましたが、つながりません。

兄がすぐに電話会社に連絡し、原因不明だけれど不通のようだ、という回答を得て、

電話業者が確認しにきました。

開通作業はきちんとしていたのに、なぜか電話が繋がらなかった、という旨の説明を受けました。

初日から、いや前日の姪っ子の行動から、思い返してみればトラブルの始まりでした。

電話回線は柳の木の近くにあり、そこを何度も業者の方が確認してくれました。

結局、問い合わせはなく、塾生が集まらないまま、塾はスタートすることになりました。

それでも、毎日開けていたら、誰かは来てくれるかもしれない、と信じていました。

その日から10日経ち、問い合わせ用の電話がなりました。

たまたまその日は兄が心配して見に来ていた日で、電話に出てくれました。

すると、電話口から大きな声が聞こえ、兄が謝罪した上で、塾とは無関係の車です、と言い

電話を切った兄が、車をどけろっていうクレームだった、と言います。

車?と思いました。私も兄もバスで駅から来ていたからです。

パッと上から見ると柳の木のところに車が停まっていました。

その日から私は自転車で塾まで行くことにしました。

駐輪場に停めていたのですが、今度は駐輪場に停めている自転車がいつも倒されたのです。

不思議なことに音がしませんでした。いつも誰かが私の自転車を倒すのに、その音がしない。

なんなんだろう、一体、と思っていました。ここで塾をするのを邪魔されているような感覚になりました。

トラブル続きの上に塾生はゼロ。

賃料が8万円であっても、出費だけが続く状況にだんだんと気持ちが沈んでいきました。

気の持ちようなのか、めまいや頭痛といった不調も出るようになりました。

ある日の晩、ふと柳の木が事務所スペースの窓から目に入りました。

柳の木なので、風で揺れます。ところが、どう見ても凪ではなく、強風の揺れ方をしていることに驚きました。ここまで揺れるの?何かに怒り逆立てたような紙の毛みたい、と鳥肌が立ちました。

その瞬間、なぜかその揺れた柳の木が、長い髪の女性のシルエットに見えたのです。

目を疑いました。

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