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心霊

Bsenさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

とある老人ホームの写真撮影
長編 2022/06/13 20:31 2,006view

写真はベッドに座っているYさんを中心として、その両側に6人と佐藤さんが入るといった形になりました。
撮影したのは佐藤さんと同じくYさんを担当している老人ホームの同僚で、その時に使ったのは同僚がいつも使っているデジカメでした。

撮影は1枚だけだと不安があるということで、連射撮影をして何枚も撮っている感じになりました。
その時に画面を見て笑顔でいた同僚でしたが、その笑顔のままでもう一回撮影しましょうと言い出すのでした。

結局連射撮影は3回も行われてしまい、若干笑顔を出すにも疲れてしまったようです。
あとで加工してメールで送るということで、その撮影会はお開きとなりました。

佐藤さんはその時に同僚にカメラのトラブルについて聞いてみました。
すると同僚が撮影した映像を見せてきました。
見れば最初に連射撮影した5枚は、いずれも全体に白いモヤモヤがかかったようになっていて、失敗なのが明らかでした。
そのモヤは何か人の衣服を拡大したようにも見えたと言います。

2回めの連射撮影では全体に綺麗になっていましたが、5枚ともYさんの上に白いもやの棒が突き刺さるような感じになっていて失敗でした。

3回目の撮影は同僚が部屋のカーテンを調整した後のもので、全体に綺麗に映っていましたが、5枚ともカーテンのところに黒い人の影があるのでした。
撮影結果を見て驚愕してしまった佐藤さんたち2人でしたが、問題部分は消した写真をメールで送信することにしたといいます。

しかし突き刺ささったような写真を見ると、その先端が人の指のようになっていたので、とても恐ろしいという感じしか受けられなかったそうです。
また隅っこのカーテンのところには当時誰もいなかったはずだし、太陽の方角を考えてもそこに影ができるわけがないとのことで、嫌な感じしか受けない佐藤さんなのでした。

その数日後。佐藤さんいつもの通りに通勤して仕事を始めようとしたのですが、更衣室で着替えている中で、数人のスタッフが異変が起きていると言って慌てて走って行ったそうです。
どうやら彼らの目的地はYさんの居室で、佐藤さんも急いで駆けつけました。
するとYさんはすでに意識がなく、AEDで心臓マッサージをしているところでした。
しかしYさんは回復することなくこの世を去ったということです。
佐藤さんはYさんのことを考えると、あの心霊写真を撮影しなければ良かったのか、浄霊でもしたら良かったのかと思う日々だそうです。

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