奇々怪々 お知らせ

不思議体験

アルさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

○○が来る
短編 2021/01/27 21:57 2,007view
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世の中には科学や偶然といった言葉だけでは解決できないことがあるのだと思わされます。これからする話は、
オカルト好きであっても心霊現象の類いを全く信じていなかった私がそれを信じるきっかけになった話です。
簡単に説明すると、とある怖い話を読んだら何かがやって来るというもので、この話のタイトルの○○と伏せ字にしているものが、とある怖い話のタイトルになっています。興味をもってその話を読んだ方に何かが起きても嫌なので伏せ字にさせていただきます。

あれは中学生の時でした。怖い話を読むのが好きだった私は、今でも怖い話系のスレに出てくる有名なものからマイナーなものまで色々なものを読み漁っていました。その中には、自己責任系の読んだら怪現象が起きると言われている話もありましたが、読んでも特に何も起こらず、オカルトを単にフィクションとして楽しんでいました。
そんな中、新しく見つけた自己責任系の怖い話をオカルト好きの友人と一緒に読もうとしたことが始まりでした。
その話の導入部分には、「この話を最後まで読むと○○があなたを襲いに来ます」というような文言があった覚えがあります。
よくある導入なので私も友人も本当に起こるわけがないだろうと軽い気持ちで、友人の部屋で読むことになりました。私自身も未読だったので、ワクワクしながら読み進めていきました。しかし、読んでいても何も起きる気配がなく、やっぱり嘘だったな、と二人で笑いながら最後まで読み終えた時にソレはやって来ました。
天気もよく風が強い日でもなかったのに、急に窓がカタカタと音を立て始めたのです。一回だけなら風のせいと思い込むことができたのですが、その後も何度も何度も音を立てて鳴り止むことはありませんでした。初めての心霊現象に私と友人は凄い!凄い!と暢気にも興奮していたのですが

ギシッ、ギシッ

と、私たちがいる部屋の外から階段を上ってくる音が聞こえてきました。その日、友人の家には私と友人と友人の祖母しかいませんでしたが、友人の祖母は外で畑仕事をしていているはずでした。作業を切り上げて家に戻り、私たちの様子を見るために階段を上がってきているのだろうと思いながらも、家の裏の畑に目を向けると、そこには畑仕事をしている友人の祖母の姿がありました。

徐々に近づいてくる足音に冷や水を浴びせられたような気持ちになり、本当に○○が近づいていることを悟った私たちは、ヤバイ!ヤバイ!マジで来た!とパニックになりました。
焦っている間にも○○は迫ってきており、

ギシッ、ギシッ

とゆっくりと階段を上ってくる音は、私たちが恐怖におののく様を楽しんでいるようにも思えました。

恐怖で正常な思考ができない中ではありましたが、その話には、実際に○○が来た時の対処法も書かれていました。それは、やって来る○○の名前を何度も声に出すこと。声が震えながらも必死になって名前を呼んでいると、いつの間にか、ずっとカタカタうるさかった窓の音が止み、部屋に近づいてきていた足音も聞こえなくなっていました。
友人はあんな体験は2度としたくないと言いながら、私を軽く殴ってきましたが、恐怖から解放された安堵感の前には痛みなど感じませんでした。

その後、二人の間ではその時の話はタブー扱いになりました。あの話は、読むことで低級霊を呼び込むという触れ込みのものでしたが、幸いにも心霊現象が起きたからといって友人の家に霊が取り憑いたということもなく、何事もない日々を過ごすことができています。

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コメント(2)
  • き…
    き…

    麒麟が来る…(しか浮かばない)

    2021/01/28/00:15
  • こういう作品好き

    2021/01/28/14:33

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