悪口言ったら足持っていかれるよ！

影でも相当悪口を言っているらしい。

その親戚女性は近所でも有名な怖い人だ。

そんな一族の家に嫁いだ母に同情した人達も多い。

しかし、その親戚女性を怒らせると怖いのでみんな見て見ぬふりだった。

母は誰かに何か言われたら反論するほどの性格だったのに、親戚女性から「女は何があっても我慢しろ、嫁は一家の中で一番立場が低い」と耳にタコが出来るくらい聞かされ続けたそうだ。

延々と親戚女性から洗脳されたせいで誰かに何か言われても言い返せない性格になってしまった。

そのせいで母は一部の心無い人達から嫌がらせを受けたこともあった。

母は精神的におかしくなりかけたこともあった。

そんなある日のことだった。

母がある不思議な夢を見た。

夢の中の母は掃除をしていたところ、誰かの声が聞こえてきた。

その言葉を聞いた母はかなり驚いてしまったが、目覚めた時に何を言われたのか、何を見せられたのかの記憶だけ消されたそうだ。

何か大事なことを言われたかもしれないし、見せられたかもしれない。

何年かしてから、親戚女性は足を悪くしてしまった。

手術をしなければ歩けなくなるほど酷い状態になってしまったそうだ。

その時に母は不思議な夢の内容の一部を思い出した。

親戚女性が杖をついている姿が見えたらしい。

父も若い頃に出会った占い師の最後の一言を思い出したそうだ。

占い師「悪口を言うと足をもっていかれるよ！」

占い師は親戚女性が悪口を言いまくったせいで足を持っていかれる姿を見ていたのだろうか？

一番被害に遭う人が母であることを見抜いていたのだろうか？

もしかしたら、占い師は母が窮地に陥った時に助けが入るように父に助言をしたかったのだろうか？

今となっては真実を知る方法はない。