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呪い・祟り

足が太いさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

血筋を呪う小屋
長編 2022/03/04 11:55 3,325view
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おじさんはそう言い残すと、慌てたようにどこかへ走り去ってしまいました。
急展開に頭がついていかず、でもこのまま小屋の中にいて、また扉が開かなくなったら怖いので、Aちゃんには悪いけれど私1人で小屋の外に出て、おじさんが戻ってくるのを待ちました。
5分10分程経った頃、おじさんが後ろに何人かの人を引き連れて戻ってきました。
おじさんもその人達も、修験者が着るような真っ白の服を着ています。
そしてぞろぞろと小屋の中に入り、複数人でAちゃんを抱え上げて、またどこかへ行ってしまいました。
「ああ、君も今日はこのまま帰らせる訳にはいかないから、これから一緒に○○寺に行こう。住職にはもう話しを通してあるから」
おじさんは去り際にそれだけ言って歩きだしてしまったので、私も慌てて後をついていきました。

数分程歩くと大きなお寺に到着し、そこの住職が出迎えてくれて、あれよあれよと部屋に通されました。
「あの、Aちゃんはどこに?Aちゃんはどうしたんですか?」と住職に聞くと、「Aちゃんは別の部屋に、ね。まぁ、Aちゃんの友人ならば知っておいた方がいいだろう」と、困った顔をしながら1つ1つ丁寧に教えてくれたのです。
曰く、あの小屋はAちゃんの家が代々管理してきたもので、Aちゃんの血筋の人が入ると呪われてしまう。
曰く、ある者は小屋に入った瞬間、発して倒れ、寝たきりになった。またある者は狐のように振る舞い、山に帰ってしまった。殆どの者は人ではなくなってしまう。
曰く、Aちゃんの血筋にかけられた呪いなので、それ以外の者が入っても呪われることはない。
曰く、Aちゃんは恐らくあのまま戻ることはないだろう。

「呪いってなんですか…?Aちゃんは、Aちゃんはずっとあのままなんですか?」

「本当なんです。あの小屋はおよそ100年前からあそこにあるけれど、先代の住職の時からずぅっとそうなんですよ。信じられないかもしれませんが、血を呪うことはあるんです。小屋を壊そうとしたこともあったんですが…その度に事故が起こってね。壊すにも壊せないから、Aちゃんの血筋の子には小屋に近寄らないように言い聞かせていたんですが。」
「どうしてAちゃんの血筋にそんな呪いが?」
「…それは、私の口からはとても。それに、これは聞かない方が身の為です」

呪いの原因について聞いた途端、住職はサッと青くなって目を逸らしたので、それ以上聞けませんでした。
その日はお寺に泊まり、翌日の朝、住職に起こされて「Aちゃんのことは最初からいなかったと思いなさい。真っ直ぐ家に帰るように。もうあの小屋には近づかないように」と言われ、家に帰されました。
その後、Aちゃんに何度か連絡をしましたが全く通じず、あれ以来Aちゃんの姿は見かけていません。
Aちゃんの実家に行って、Aちゃんと会えたらと思ったのですが、会ってもどうすればいいのか答えが出ず、結局会いに行けていません。

何が原因でAちゃんの血筋に呪いがかけられたのか、Aちゃんは一生あのままなのか、Aちゃんを元に戻す手立てはないのか。
考えても考えても分かりません。

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