真夜中のコンビニ

夜中の2時くらいに、近所のコンビニへ行った真冬のある日のこと。
そのコンビニにはどうしても食べたいアイスが見当たらなかったので、近くにあるもう一軒のコンビニへ行くことにしました。
コンビニについて店内に入ると、暖房がついているのになぜかひんやりとした寒さを感じます。
店内には他の客どころか店員もいなくて、「変だなぁ…」と、違和感がありました。

それでも目当てのアイスを見つけたら違和感なんてすぐに忘れてしまったのです。
商品を手に取ってレジに行き、バックヤードらしきところへ向かって「すみませーん」と大きな声で呼びかけました。
しかし、全然人が来る気配がないのです。
さっき忘れた違和感がまた出てきて、どうしたんだろう、何か事件でもあったのかな、警察呼んだ方がいいかなと思ったそのとき。
店内の電気がブツッと急に落ちてしまいました。

真っ暗で何も見えなくなり、慌ててポケットからスマホを取り出してライトを点けたその瞬間、真後ろに人の気配がしたのです。

何だか嫌な予感がして、「見ちゃだめだ！」と思い、ギュッと目を瞑りました。
しかし、真後ろにいる嫌な気配はそれを察してか、私の前に回ってきたのです。
足音はしませんでしたが、目の前に何かがいて、至近距離で私の顔を覗きこんでいる気がしました。

怖い、見たい、ダメだ、目を開いちゃダメだ、怖い、怖い、見たい…。

誘惑に負けて目を開きそうになったとき、パチン！という音が聞こえて、店員さんらしき人の「すみません、お待たせしましたー」という声が聞こえました。
ハッと目を開けると、目の前には店員さんしかいません。
さっきのは何だったんだろうと思いながら買い物をして、怖くて怖くて走って家まで帰りました。

翌日、昨晩行ったコンビニの前を通って驚きました。
そこのコンビニ、潰れてたんですから。