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妖怪・風習・伝奇

くやりさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

雪の日の足跡
短編 2022/02/22 11:59 1,221view

私の故郷は北陸の外れで、冬ともなれば大量の雪があたり一面に降り積もります。

その年も大雪が降り、祖父母や両親を含む大人たちは雪かきに駆り出されていました。

私はまだ幼い為雪かきは免除されたものの、周囲の大人が構ってくれないので退屈し、裏庭をちょこちょこ歩き回っていました。

すると奇妙なものが目に飛び込んできました。

「あれっ……」

裏庭に裸足の足跡がちょこんと付いているのです。自分が履いた長靴と並べてみるとサイズは同じ位でした。間違いなく子どもの足跡です。

(誰かうちにきたのかな?裸足で出歩いたら霜焼けになっちゃうよ)

子供らしい発想で案じた私はただちに玄関にすっとんでいき、予備の長靴を持ってきました。

わくわくしながらそれを裸足の足跡の横においてみたのですが、何も起こらず拍子抜けします。

そこに雪かきが一段落した父が呼びに来ました。

「何をしてるんだ」
「あっ、父ちゃん!あそこに子どもの足跡が付いてたんだよ」

私が指さして教えた所、父は怪訝そうに足跡と長靴を見比べ眉をひそめます。

「えっ」

父が雪上に放置された長靴をおもむろに掴んでひっくり返すや、その中からドサドサと雪のかたまりが落ちてきました。

「座敷童のいたずらだな」

父は豪快に笑っていました。

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関連タグ: #子供#座敷わらし#雪
コメント(1)
  • 座敷童って雪国にしか居ないのですかね?
    一度見てみたいものです。

    2022/02/23/16:10

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