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心霊

pamsさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

天井の手足と本棚の顔
短編 2021/10/31 09:12 933view

3歳の時に引っ越してきた一軒家はとても古く、友達から幽霊屋敷と言われたこともありました。当時は住んでいる私も夜は怖かったです。小学校中学年になった頃、あることに気付きました。

その夜は暑苦しくなかなか眠れず、右に左にと寝返りをうっていました。ふと仰向けになると部屋の天井に何やら真っ黒い手形や足形が浮かびあがって見えたのです。
急に恐ろしくなり無理やり目を瞑ってやり過ごしました。

翌朝、親に言うと「昔の家はこんなものだよ」とか「家を作ったときの大工さんのものだろう」という返事でした。納得はできませんでしたが、子どもだった私はそれ以上何も出来ず、毎晩怖い思いを紛らわせては眠りについていました。

ある晩、その手形と足形の位置がいつもと違うように見えました。横になった私がずれているのかと思いましたがそうではなく、明らかに手形と足形が動いているのです。でもこのことは誰にも言いませんでした。言ってしまうと紛れもない事実になってしまいそうだったからです。

それからというもの、その家では不思議なことが時々起こりましたが、段々となれていきました。ある時、本棚を開けようとした時のこと、本棚の扉に叫んでいる形相の顔が2つ浮かび上がっていることに気付きました。今まではツルリとした木材の本棚の扉でしたが、いつの間にこんなものが浮かび上がっていたのかと恐怖を感じました。
よく見てみると左右の扉に2つずつ顔があります。その形相(目のつりあがり方や叫んでいる口の大きさや角度)は左右で違いがあり、この本棚に閉じ込められている鬼のようでした。

現在は引越しをしてしまい、あの家も取り壊されましたが、様々なことが起こる不思議な体験でした。

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