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不思議体験

pamsさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

不思議な男の子
短編 2022/10/04 15:34 900view

5歳の時、私は足に大火傷を負ったことがあります。

近所の親戚の家に遊びに行ったときに負ったもので、大泣きして足を引きずり帰ったのを覚えています。

その帰っている途中の出来事です。

あまりの痛さに耐えられず泣きじゃくっていると、小さな橋を渡る時に知らない男の子が私を見ていました。

私と背丈が同じくらいで日に焼けている子です。

しかし、そんなことには構っていられず帰ることに必死。

いつもは5分で着く家がとんでもなく遠く感じました。

家が近くなると普通でない泣き方に驚いたのか伯母が家から飛び出して来て、事情が分かるとすぐに手当をしてくれました。

その時、窓の外に見えたのはまたあの男の子です。

薄茶色になっているタンクトップに半パン姿でした。

流水で火傷部分を流した後、氷でガッチリと患部を覆い冷やし、徐々に落ち着いて来た私は顔を窓の方へ向けてみましたが男の子はいませんでした。

そのまま眠りにつきました。

翌日病院へ行き、手当をしてもらい落ち着いたので、帰宅後は安静にするように言われていましたが家の前を流れる川へ行ってみました。

川の水を手でちゃぷちゃぷしていると上から「痛い?」と声がしました。

橋の上にいるのはあの男の子です。

川辺に降りてきたのでどこの家の子か聞くと近所にあるお寺の子でした。

交わした言葉は少なかったですが、友達が増えたと感じ嬉しかったです。

日が暮れ始め、伯母が「そろそろ家に戻りなさい」と声をかけに来たので、隣にいる男の子を見ると消えていました。

友達になったことを言うと「あそこのお寺は誰も住んでないよ。

お婆さんやお爺さんがお墓参りにお盆に数人来るくらいよ。

」と言うのです。

それ以来一度も男の子には会うことはありませんでした。

その後20年間火傷の跡は消えず、跡を見るたびにあの不思議な出来事を思い出します。

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