迷い込んだ「抜け出せないトンネル」

なんだか、トンネルの中がどんどん暗くなっているような気がする。

「◯◯ちゃん！◯◯ちゃん！」

私の呼びかけが、ほとんど絶叫のようになった時だった。

突然、トンネルを抜けた。

それも奇妙で、今の今まで終わらない終わらないと思っていたのに、瞬きをした瞬間、トンネルの外を走っていた。

「えっ？！」

同時に、娘の激しい泣き声が戻ってきた。まるでずっと泣き続けていたかのような激しい泣き声だった。

私は混乱しながら運転を続けて、急いで山を降りると、なるべく明るくて大きな道を通って家に帰った。

そして帰宅すると、すぐに母親に電話をかけ、謝罪して仲直りをした。

それ以来、おかしなことは何もない。

だが、私は自分に起きたことが未だに分からず、誰にも話せないでいる。

あの夜私は頭がおかしくなってしまったのだろうか。それとも、どこかに迷い込んでしまったのだろうか。