電話を下さい

無駄だった。メッセを聞いているはずなのにそれでも架けてきて、
聞いた後に伝言を残してゆく。

そこで次は
「この電話番号の×××ー××××は（私の名前）の電話です。
　間違い電話が多いので、番号と相手を確認の上、
　お間違いでなければ伝言を残してください」
というストレートな内容にしてみた。

無駄だった。無駄無駄無駄無駄アッだった。
「ヨコタです。■■さん、電話を下さい。」
変わらぬメッセージをヨコタさんは残し続けてくれた。

そんな状況が２か月くらい続いたころ、帰宅すると、
また番号非通知での留守電メッセが残っていた。
またヨコタさんだろうなあ、と思ったら違った。
若い女性の声で
「あ◇◇です。
　ヨコタさん、今日はおいでいだけませんでしたね。
　またきてくださいね。では。」

・・・ヨコタさん、とうとう、
電話をかけるときは全てウチの番号にかける状態、から、
ヨコタ宅の番号もウチの番号と間違えて覚え、他人にも教える状態、

になってきたみたい。

さすがにこれはマズイ。
あちこちから「ヨコタさんにかけるつもりで」電話が
架かってくることになるのかも。
架けてきた人に事情を説明して、
その人からヨコタさんに注意してもらう、
という方法もあるだろうが、すんなりうまくいくか怪しい。

とうとう私は、電話線を引っこ抜くことにした。
とりあえず１週間。
その間は、知り合いとの連絡は携帯電話のほうでこなした。