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妖怪・風習・伝奇

kanaさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

【クモ男事件】-事件記者 朽屋瑠子-
長編 2023/01/01 02:54 11,303view
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(これだ、彼氏に先に取材してたら、たぶん彼女は怒って会ってくれないか、
あるいは非協力的だったはず。だけど彼女に先に会ってご機嫌を取れば、ホレこの通り、
ちゃんと連絡が行ってるもんネ。やっぱ女の子とは仲良くしとかなきゃね~)

「えぇもう、そのくらい、いくらでも経費で落とせますからご心配なく~」

「で、あの事故の件を取材されてるとか?」

「ハイ、ちょっと不可解な点もありまして」

「でも誰も犠牲にならずに済んだラッキーな事故ですよね。ラッキーというのも変ですけど」

「そうですね、ただそれはあなたがた4人がバスを降りたからであって、
乗っていれば間違いなく・・・」

「うっ、・・・そうですか・・・じゃあ、彼らに感謝した方がいいのかな・・・」

「彼ら?並びに座ってたお二方にですか?」

「ええ・・・。その・・・でも朽屋さん、笑わないで聞いてもらえますか?」

「ハイ、もちろんです」

「警察にも言ったんですが、たぶん気を失ってる時に夢でも見たんだろうと一蹴されまして・・・」

「いえ、お聞かせください。現に並びの二人は行方不明です」

「彼ら、ボクに手品を見せるといって、恐ろしいものを見せたんです」

「恐ろしいもの?」

「その・・・通路を挟んでボクの横に若い女性が座っていまして・・・」

「お胸の大きい女性ですね?」

「あはは、そう・・・すごく・・・いや、そうですね。で、奥に黒服の男が座ってて・・・

その男が、途中休憩のパーキングエリアで停まった時にボクに手品を見せると・・・」

「彼女さんは?ほかの乗客もいたんですか?」

「いえ、バスの中はボクと彼らの三人だけで、みんなまだ休憩から戻って来てなかったんです」

(怪しいな。固有結界?)

「で、男の方が女性の服を切り裂きだして・・・」

「ほほぅ、デカ美ちゃんの服を!」身を乗り出す朽屋。

「あっけに取られて見ていると、今度は刃物を出してきてその子の背中を切り開いて・・・」

「ウッ、く・・・」後ろに下がる朽屋。

「あげくに内臓を取り出してボクに見せたんです。蝶の羽根みたいだろ?って。
それでボクは気持ちが悪くなって・・・」

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コメント(2)
  • 新年あけましておめでとうございます。kamaです。
    こちらの作品を読む前に、前日譚として私の作品、
    「恐怖! 地獄極楽夜行バス」を御一読されると、より作品が楽しめるかと思います。
    また前作「事件記者 朽屋瑠子」も併せてお読みいただくと、より世界観が広がって楽しめるかと思います。よろしくお願いします。

    2023/01/01/03:11
  • 元日早々に第二段投稿するとは早い。

    2023/01/01/11:34

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